■創傷の原因を突き止めるべし #30

あけましておめでとうございます。

今年最初の投稿です。

今日は、某患者さんの何度も繰り返される水泡群が完治してきれいになりました。

そんな良い結果だと、私もとても嬉しくなります。

今回完治した水泡は、実は2度目で、1度目の水泡群は、ナースの報告を受けたのが、水泡が出来てから一か月半経った時でした。なかなか治らず、次々と水泡が出てくるので診て、ということでした。

その際は、その場所を普通に洗浄してカバーして数日で完治しました。

その後、部屋が変わり、一か月半程経って、12月に入ってまた同じ場所に同じような水泡群が出来ているとの報告を受けました。また、今回も、出来てから何日か何週間か、時間が経過してから「次々と出てくるから診て」という報告でした。

ナース達もCNA(看護助手)達も口をそろえて、「テープにアレルギーがあるに違いない」「どうしてテープにするの?包帯にしないと」「そのドレッシングがダメなんじゃないの?」とか、いろんな事を言ってきます。

特に厄介なのが、「ここ(アメリカ)ではLVNだけど、私は自国では医者なのよ」という人の意見。私の言うことにほぼ毎回反発します。

そんな時は、患者さんに被害の及ばない限り、じゃあ、好きにやってみて、と言います。そして翌日フォローします。

それはそれで良いとして、この患者さんが同じ場所に同じように水泡が次々にできるのには絶対に何か理由がある筈なので、朝早く行って、どのようにケアがなされているのかを観察する必要がありました。

看護プログラムに入ってすぐの実習(最初の実習はCNAの下で働きます)で、ベテランCNAに言われた「CNAと一緒に仕事しなかったら、ナースは患者のことをちゃんと理解できない」という言葉をいつも思い出します。

CNAにケアを手伝わせて、と言って、観察した所、この水泡はどうやら、間違ったリフト用スリングの使い方にあったようでした。

聞いたら、「だって、この患者さんに合うリフトは他の人が使ってて、今、使えないし、この代わりのリフトだと、このスリングをこのように(腿の内側で交差させて)しないとサイズ的に合わないからしょうがない」とのこと。

どうして合うスリングを使わないの?との問いには、もう既に新品のスリングを出しちゃったので、今更、もう一つを出せない、とのこと。

あああああああ… そういうことね。。。。

というわけで、この水泡を治すためには、スリングを交差させないでね、ちゃんと合うスリングを直ぐに用意するから、ということで、CNAにわかってもらって、水泡は回復に向かいました。

それにしても、手伝ってわかったことは、この患者さんのケアがとてもとても大変だった、ってことと、CNAは、忙しい時には、これを一人でやらなきゃいけない時もある(基本的にリフトは二人で)との発言に、これは問題だ、ってわかったこと。

あと、CNAに対する更なる感謝の気持ちです。CNAの仕事は本当に重労働なのです。