■アメリカでLVN/LPN (准看護師) になる #183

■LVN/LPNのコースを経て看護師になる場合のメリット

■考えられるデメリット

■学校を選ぶ際

LVN/LPN (准看護師) の需要は無くなると言われつつ、変わらず多くのLVN/LPNがフロアで活躍しています。

LVN/LPNだから能力がRNよりも下回るとかいう印象は無くて、中には、RNと比べても全然働きがいいLVN/LPNも多いです。

事実、NCLEX-RNよりも、NCLEX-PNの試験の方が難しい、という話もよく耳にします。

それは何故かと言うと、RNがリーダーシップやマネジメントに関わる可能性が高いのに対し(その関係のテスト問題が多い)、LVN/LPNは主に患者さんのケアに直接かかわることが多いので、NCLEX-RNに比べ、薬や薬の投与、病気そのものに関する問題が多いから、とされています。

アメリカで最短で看護師になるには、コミカレに設置されている2年制のRNプログラムに応募して入学し、卒業してNCLEXを受ける、と以前書いたことがありますが、更なる最短ルートとして、LVN/LPNのコースに入って看護師になる、というのがあったな、と思いました。

今日、Education Departmentのマネージャーに、3月にLVN/LPNの生徒が実習で来るのでwound careのシャドーingをさせてくれる?と言われて、「ああ、そうか~、まずはLVNになる、という道もあったのか~」と思いました。

私が看護プログラムに応募した時、その学校にはRNのプログラムしか設置がなくて、LVNという選択肢は私にはありませんでした。だからあまり考えたことがなかったです。

でも、これほど高齢者の患者さんの多い昨今では、高齢の患者さんのplacement(受け入れ先)を探すのが大変な苦労で、もうどこの施設もいっぱいいっぱいの状況です。そして、高齢の患者さんの入る施設(短期・中期・長期)は、RNの数よりも圧倒的にLVNの数が多いです。

RNに比べて、時給が低く抑えられるので、経営者側にとっては、やっぱりLVNを雇いたいのが本音です。規則で決まっているため、ある一定数のRNは(患者さんの数の対して)雇わないといけないものの、毎日のケアはLVN/LPNが主力、と言っても過言ではないくらいです。それに前述のとおり、LVNだから能力が劣るということは無いからです。

実際には、フロアで、LVN/LPNとRNの「scope of practice (出来る事)」には違いがありますが、多くの事項に関してはLVN/LPNがその名の通り、practically、出来ます。

看護プログラムも、LVNのプログラムは段々無くなっていく、などと言われてはいますが、まだまだ健在です。何校もあります。

コミカレの中には、LVN/LPNとRNのプログラムの両方を設置している学校もあるので、要チェックです。

何故なら、両方設置している学校は、RNに進みたい場合、スムーズにいく場合が多いからです。

私のいたRNの看護プログラムに、既にLVNとして数年働いている男性看護師が途中から編入してきましたが、一年(2学期)追加でRNで卒業できる?と思いきや、そう上手くはいかなくて、結局、3学期間の追加、ということになりました。

小児科のコースを取らなればいけなくて、それがカリュラムの一年目の2学期目にあった関係で、結局3学期間必要となって、それじゃあ、RNのコースの一番最初の学期だけが免除になったってだけで、ほとんど全部やり直しね…となりました。

というわけで、LVN/LPNのコースを選ぶ場合は、RNに行きたくなった場合の事も考慮に入れられたらいいかと思います。

■LVN/LPNのコースを経て看護師になる場合のメリット

RNのプログラムよりも、入りやすい。

学校によっては、事前に取らないといけない必修のクラス(prerequisite classes)が少なかったり、応募の際のGPAの設定が低めだったりします。

RNのカリキュラムには「整形外科」「産婦人科」「一般外科内科」「小児科」「精神科」「geriatric (老年医学?)」等が盛り込まれていますが、LVN/LPNのコースでは、そのように分かれていないので、一般外科内科はある場合が多いですが、それ以外は全体的に看護を学ぶ感じなので、プログラムの期間が短い。3学期間のことが多いです。夏を含めて一年間、という所もあります。

とにかく看護師になるまでの期間が短い、早い。早く働き始めることが出来る。

LVN/LPNになってから、勤務しながら、進学できる。(進学する際の授業料の負担が少ない)

LVN/LPNになってしまえば、その後、いろんな方向で進学することが出来ます。

LVN/LPN → ADN (2年制のASディグリーを取得してRNの試験を受ける)

LVN/LPN → RN というコースもあります。オンラインもあります。

LVN/LPN → BSN (4年制大学の看護プログラムを卒業する)

LVN/LPN → MSN (いきなりマスターまで行けるコースも)

LVNになっても、時給の関係で学校に行くのは難しい、とか言う方、とにかくお給料が高い所で働かないと生活が…とかいう目的がはっきりしている方(収入)は、州刑務所で働くというオプションもあります。私も周りにも、州の刑務所で働いている看護師さん、働いていたという看護師さん、多いです。

■考えられるデメリット

最大のデメリットは、働く場所が限られることです。

病院では基本的んは雇われませんが、病院内にLTCかRehabがある場合はその限りではありません。

病院、透析センター、外来の検査施設(コロノスコピーとか)、学校、訪問看護は会社によって、等、多くの施設で募集があるのはRNです。

LVNが出来ない業務がある。でも、業務はこなさないといけないので、RNにお願いすることになります。

時給が安い。ほぼ同じような期間を経て、卒業して試験を受けて、その先の時給がRNに比べ安い。

資格試験がRNより難しいという噂もある。

LVNになって働いた後、多くのLVNが、RNの学校に入り直そう、となります。でも、その過程が無駄だと言ってるわけでは決してありません。むしろプラスくらい、です。だって、常に勉強しているのですから、何も無駄にはなりません。

■看護プログラムを選ぶ際

この度、マネージャーに言われた「3月に来るからよろしくね」の生徒さんが来る学校は、うちの病院から車で2時間半くらい離れた場所にあります。「え!そんな遠くから!」とびっくりしましたが、私も、自分が学校を選ぶ時のことを思い出しました。

私には当時小さい子供がいたので、その学校の実習先があまりに遠い病院だと、現実的ではないので、やっぱり通える範囲内の実習先を持つ看護プログラムにする必要がありました。

独身だったり子供がいなかったりなら、実習先がいくら遠くてもそれでもいいのですが…。

私が実習に行った時は、フロアの通常の朝のシフトが7時に始まるので、7時から大体午後の2時まで。2時から3時まで会議室で反省会をして、その日の実習は終わりでした。

でも、うちの病院にたまに来る近隣の学生は、ずーっと4時頃になってもダラダラいます。つい自分の時と比べて「どうなっちゃってんのかな、この学校は」と思ってしまいます(かなり余計なお世話ですね)。

さらに、比べると言えば、私達のプログラムでは、看護学生はエレベーターを使わず階段を使用、駐車場は一番遠い場所に停める、またはカープールで極力駐車場を学生が占領しない、コンピュータは常にフロアの看護師さん達が優先で学生は一歩下がる、廊下を歩くとき学生が廊下いっぱいっぱいに広がらない、などと毎回厳しく言われましたが、それはどうやらうちだけだったのかな、という印象です。

うちに来る学生は、上記のどれも全く関係ない感じで…。以上お局さん的発言でした。まあ、実際は誰も何も気にしません。