■創傷ケア看護師にプレゼン能力は必要? #48

今日、買い物中、若い男女が、一つの商品を買うか買わないかで、口論…とまではいかない、熱い話し合いをしている会話が耳に入りました。

女性は、ライト付きの化粧用拡大鏡を手に持って、その商品がいかに彼女の朝の時間の節約になるかを説いていて、あれは、ほぼプレゼンテーションと言えるでしょう。

男性は、「うーむ…」という感じで、あの感じだと十中八九、結果は「購入」となると思います(値段もそんなにしない)が、この商品に対してよくそこまで熱いプレゼンが行えるもんだなぁ…と感心したのでした。

と、同時に、この国での、日常的にあるプレゼンシーンについて、そして、その能力があるとないとでは、当然のことながら、物事の成り行きがいろいろ変わってくることなど、ふと考えてしまいました。

アメリカでは、小学校の頃から、プレゼンの訓練が学校でされています。あらゆる科目に常にプレゼン作業がついています。しかも、グループ作業。

アメリカは「個人重視」と思われがちですが、ある意味そうなのですが、実際は、チームワーク重視でグループ作業が幼稚園から大学まで本当に多いです。

娘が小学二年生の時、学校の算数の宿題に「8x4はどうして32かを文章で説明せよ」というような問題があって、夜寝る時間になっても「ううーーん」と考えていて、それを横で見ていて、「何なの、その時間の無駄的な宿題は~」と思い、ほどなく予定されていた、父兄個人面接で、先生に聞いたことがあります。

「8x4=32に決まってる。さっさと次の問題に行くのが効率的じゃないんですか?」と聞いた所、先生の答えは、「これからの高校、大学、そして社会に求められているのは、いかに人に上手く論理的に説明して相手を納得させるかです。計算などは計算機で十分です。でも、相手に説明して納得させるのは人間です。」というものでした。

私が育ってきた時代は、プレゼン作業は無くはなかったけど、それほど多くは無かったです。でも、土壌や鍛えが全く違うと言っていいほど、日本人は育ってきた過程で、プレゼン量が少ないです。

筑波大準学長の落合陽一さんが、以前、「子供の頃、欲しい物があると、両親に、何故それが必要なのか、何故それが欲しいのかをプレゼンして、それが通るとお金が下りた」という話をされていました。

というわけで、創傷ケア看護師の場合の話です。

先日、医師が私が考えていたAのケアを、Bのケアに変更してオーダーを出しました。勿論、医師のオーダーなので、患者さんはBのケアでの治療となりました。

しかしながら、明らかにこの医師は、プロダクトの性質を勘違いしているのではないか、と思われましたが、3日で退院するであろう患者のケアは、3日間だけなら(長期なら別)、AでもBでも治療的には大差なく、大きな違いは、Aにした場合は多少高額である、ということだけなので、特に何も言いませんでした。

が、後日、隣の病院の創傷ケア看護師と雑談していた際、「今後のためにも、そういう医師の勘違いを正すのも仕事のうちだ」と言われ、「確かに。確かにそうだよね…(苦手だけどね…)」と、今日の、お店での女性の熱いプレゼンを聞いた際、それをふと思い出しました。