■実際はすごく怖いと思っていても、傍目には簡単そうに映る創傷ケア #198

創傷ケアの仕事をしていると、怖いと感じることが頻繁にあります。

下肢切断になってしまうかもしれない恐怖とか、ほっておいたらDTI (Deep tissue injury)に発展してしまうかもしれない小さな赤味、とか、深くて到底治りそうもない褥瘡とか。

特に、医師がささっと動いてくれない時は、フラストレーションがたまります。大きい病院へ転院してもらいたいくらいです。

でも、実際に施すケアは、ものすごい事をするわけじゃない場合が多いです。

最近、病院が某カレッジと提携した関係で、フロアに学生が多くいます。wound careも、「見せて」と言って、特に男子生徒が来ます。

今月から始まって、何人か来ましたが、2,3人既に「wound careって簡単そうだよね」とコメントして行きました。

そ、そうね、まあ、そう映るんでしょうね…。と思います。

そりゃあ、ICUのチューブだらけのケア等とは比べ物にならないですが、簡単そうに見えるかもしれませんが、怖い時も多い…。

以前、隣のトラウマ病院で、その病院のメインのwound care nurseと一緒に訪れた精神科病棟で、頭皮のwound careをしたことがあります。患者さんが、そこに「ばい菌がある」と信じ込んでしまっていて、それを取り除かなきゃ、って毎日そこを手で掻きむしってしまった結果です。

Q-tipがどこまでもささるくらい(そんな感じ!)深い傷で、「自分のケアのせいで、頭蓋骨部分が感染症を起こしたらどうしよう」という気持ちになりました。

そのwound care nurseが無言だったので、私も何も言いませんでしたが、後で「ああいうの、怖い。怖くない?」と聞いたら、彼も「怖いよ」と言いました。やっぱり誰だって怖いんだ、と思いました。

そう… 創傷ケアは怖い時もあるのです。