その尿漏れ(bladder/urinary incontinence)は治るかもしれないです

年齢が上がると、尿漏れはしょうがないよね」と思っていませんか?

出産もしてるし、しょうがないよ」と思っていませんか?

今日は、尿漏れが治療で治った患者さんのケースをご紹介したいと思います。

患者さん1

この患者さんは、60代前半で肥満の方です。出産経験は一度、息子さんがお一人いらっしゃいます。尿漏れには種類があるのですが、この方のは「Urge incontinence」っていうやつです。急に、尿意を感じて我慢できなくなってしまうタイプです。加えて、わけあって足もうまく動かないので、トイレにも間に合わない。そこだけ取ると「Functional incontinence」です。尿意があっても、歩行など、体がうまく機能しなくて間に合わないのです。この患者さんのケースは、この二つのタイプが組み合わさった感じです。

でも、治りました。今は全く問題がありません。

この患者さんは、年齢だの出産だの肥満だの、というような理由から、主治医の先生から「しょうがないですよ」みたいに、ずっと言われていたようです。でも、本人はどうしても納得がいかず、主治医にお願いして泌尿器科に紹介状を書いてもらいました。英語では「Referralを出してもらう」と言います。

Referralを出してもらった泌尿器科では、お尻の部分に電気の刺激を与えるデバイスをインプラントする手術を受けました。しかし、術後に感染症他いろいろあって(←ここの詳細は省きます)それは機能せず、デバイスは除去されました。

患者さんは諦めず、別の泌尿器科の先生にReferralを出して貰いました。そこでなんと、膀胱の壁にポリープが見つかりました。ポリープは直ぐに手術で除去され、その患者さんの尿漏れは、その後ピタリと止まりました。

同時に、足の方も改善され(←別の問題なのでこれも省略します)、この方の尿漏れ問題は解決しました。ご本人も「今の私は以前とは別人よ」と言って笑ってました。でも、この間、4年間くらいあったようです。4年間もの間、ずっと尿漏れに悩まされてきたのですね。

患者さん2

Hysterectomy (子宮の摘出) をされた方が、その後、尿漏れが起こるようになりました。

Hysterectomy後は、子宮やその周りの臓器(膀胱など)をPelvic muscle(骨盤筋)と一緒にいい感じに収めていた靭帯の状態に変化が起きます。切られたり繋ぎなおしたりの再構築があります。膀胱の位置も少し変化するし、膀胱の脱出 (prolaps) も起こったりします。

というわけで、尿漏れが起こってしまう場合があります。

これには、何と言っても、骨盤筋 (Pelvic muscle) を鍛えることが効果的です。

写真をお見せ出来ないのが残念なのですが、以前、看護学校で先生が骨盤筋を鍛えた後のBeforeとAfterを見せてくれました。エクササイズをした後は、明らかに筋肉量が増えているんです。

だから、本当に、諦めずに、骨盤筋を鍛えるエクササイズを毎日してみて下さい。

エクササイズの方法は色々あると思いますが、寝転がってあれだこれだするのは、面倒くさくてやらない確率が高くなってしまうかもしれませんよね。おすすめは、おしっこする際に、一時停止する方法ですね。これならその都度、一日に数回できます。

でも、仰向けになってする体操とか、いろいろ他にもあるので、是非調べてやってみて下さい。泌尿器科のお医者さんや看護師さんにも聞いてみて下さい。

HNKの筋肉運動の番組でおなじみのセリフですが、やればやっただけ「筋肉は裏切らない」ですね!

諦めないでくださいね。

あと、余談ですが、漏れるからと言って、パットをあてたり、プルアップ(大人用のおむつ)をすると、安心感からか、慣れてしまうようです。それはそれで良いかもしれませんが、抜け出す意思を持つこともまた大切かも、と思います。それは経験者である友人の口から聞きました。