「ガウト」は、患者さんにも割と頻繁にありますし、同僚の話等でも時々耳にします。
先日、足の二本目の指の上側 (dorsal aspect) に小さなクレーター状の糖尿病性の潰瘍が出来た患者さんがいました。後日、医師の記録を読んだら、「ガウトの悪化」と書かれてありました。ガウトの悪化。
同僚が、手のひらが慢性的に痛いと言って、医者に診てもらったら、さらっと「ガウトでしょう」と言われたんだそうです。ここでもガウトか…という感じです。
先日、ガウトについてちょっとだけ学ぶ機会があったので、挙げてみたいと思いました。

「ガウトの概要」
まず、上のパワーポイントのイメージにありますように、ガウトは、筋骨格系の疾病で、関節そのものには問題がありません。
多くの場合、足の親指に症状が出ることが多く、痛みがひどく、親指に重心をかけられないくらいの痛みで、多くの人が痛みのレベルが8(10のうち)くらい、を訴えるようです。
足が赤く腫れあがり、ガウトの専門用語と言うんでしょうか、それを「Podagra」と言います。Podagra=ガウトの症状が主に足の親指に出来ている状態です。
ラボでは、高尿酸血症、白血球の増加(WBCの上昇)、ESR値の上昇が見られます。炎症ですのでね。
「Birefringent」というのも、ガウト特有のもので、関節液に光をあてると、細長い独特の形の結晶が見られます。
「pseudogout」にはこの独特の結晶の形が見られません。スードガウトは、膝などに症状が現れます。
Pseudo- というのは、ご存知の通り、偽りの、とか偽の、という意味です。
爬虫類にも⁈
友人が、ペットのトカゲ(犬を飼うよりお金がかかるようです)が体調不良とのことで、爬虫類の専門医(そんな獣医もいるんですね!)に診てもらった所、血液検査は問題無し、とのことだったようです。
でも、足は腫れていて、元気もない、とのこと。
結局、獣医が「ガウトでしょう」と。
CBC (complete blood count/血液の検査です)の結果が問題無しでガウト…。
ちょくちょく耳にするガウトですが、イメージ的には、結構テキトーな感じです…。
ガウトと高血圧
ガウトがある人は、高血圧や糖尿病が有ることが多いです。
ガウトの予防に高血圧の薬、じゃなくて、ガウトの薬を服用することによって、高血圧も予防できる、ということのようです。
Hypertension is highly associated with uric acid level due to its crystal-independent mechanism. Lee et al (2015) states that UA-lowering medications may have potential benefits in preventing hypertension.
以下は上の画像部分についての英語です。------------
Gout is one of the musculoskeletal disorder and unlike osteoarthritis, the joint is intact.
Podagra = gout of the foot, especially big toe which is the most common.
Dx: hyperuricemia, WBC, ESR (even there is no bacteria or infection, autoimmune cells can cause high WBC & ESR)
Birefringent synovial fluid crystal (analysis).
Differential diagnosis: Infectious arthritis, pseudogout (no birefringent properties. The shape is rhomboid shaped materials.
Tx: Reduce pain and Inflammation => NSAID, steroid injections
Life-style change, Prophylaxis medication to reduce uric acid
Reference
Khan Academy. (2015). Gout and pseudogout, muscular-skeletal diseases. YouTube. https://www.youtube.com/watch?v=1O3F-b8FfDY
Lee, J. J. , Ahn, J., Hwang, J., et al. (2015). Relationship between uric acid and blood pressure in different age groups. Clinical Hypertensions, 21(14). doi:10.1186/s40885-015-0022-9. Retrieved from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4750804/