私が看護師として働き始めた何年か前は、ちらほらいたスペイン語のみを話高齢の患者さん。
当時は、「高齢だからね」と思っていて、勝手に「ヒスパニック系の若い人達は英語を話す、または普通にバイリンガル」と思っていました。
そして、スペイン語のみを話す人の数は徐々に減っていくものだと勝手に思っていました。
それがどうでしょう。スペイン語のみの患者数は老若男女問わず増加していて、数年前に比べても、かなり多くなりました。
アメリカは、もう、スペイン語を話す人達で溢れています… と、それと同時に、医療施設ではスペイン語に限らず、患者さん自身が希望する言語でケアを提供する、というのが義務づけられるようになりました。
どの医療施設でも、通訳サービスは必須です。これは患者さんの権利なのです。
しかしながら、医療現場では、「痛みはありませんか?」とか言う質問だけのために通訳サービスをセットアップして…などといちいちやってられません。
ここでは、私が以前スペイン語の先生と話した内容をシェアしてみたいと思います。
スペイン語を習う際に、最初誰もが圧倒されてしまう「コンジュゲーション」。時制の一致の他に、一人称や二人称、三人称…ともうわけがわかりません。
それに、フレーズが多く載っている本を買って、フレーズだけを丸暗記したところで、そのフレーズ圏外に出ることはやっぱり難しい。
でも、でもですね、考えてみて下さい。
看護師と患者さん。その多くの会話は、現在のことです。「痛みはありますか?」、「熱をはかりますね」、「お薬要りますか?」、「はい、お薬ですよ~」等々、言ってる内容はほとんど現在。
しかも、出てくるのは、まずほぼ「私(看護師)」と「貴方(患者さん)」。
じゃ、ということは、まずは、とっかかりとして、「私」の「現在形」と「貴方」の「現在形」でかなりいけるわけです。
それに加え、もうちょっと行けたら、「朝ご飯食べましたか?」とか「お薬飲みましたか?」等の「過去形」
この最低限コンジュゲーションを、チャート的に頭に描いてもらえれば、4か所を埋める作業で、結構な感じで会話が行けちゃうと思います。
そしてこれは私の課題でもあるわけですが、ボキャブラリーを増やすに限ります。ボキャブラリーが無いと、話すことも聞くことも出来ない。
「東大生の英単語の覚え方」と言う動画で以前見たのですが、「書いて覚えない」のだそうで、何をするかと言うと、ただひたすら、音読なのだそうです。そしてその単語リストを何周もする、ということです。
何周もしたら、隠して、見ないで言ってみて、できない単語に印をつける。そして、その出来ない単語をまとめて、それらを再音読…という感じで毎日繰り返す。
そう、「毎日」です。単語は「毎日」。
これがなかなか難しい。
千里の道も一歩から…。
最後に… アセスメント等、ちゃんと聞かないといけない内容に関してはきちんと通訳を入れて下さいね!