肝硬変のため腹腔に水(たんぱく質の)がたまり「Paracentesis」をした方がいるのですが、ドレイネイジが続くので、量からしてurostomyのバッグを取り付けようと思います。通常はこのようにドレイネイジがだらだらと続くことはない、というPACUからの言葉だったですが、実際出ているし、だからと言って穿刺は終わったばかりだし、ということで…。ドレッシングもすぐに要交換になってしまいます。一日のドレイネイジ量が100ml以上を超えないかもしれませんが(そこがだいたい目安)、オストミーバッグで対応してみて、あとは医師の指示を仰ぎます。
というわけで、看護勉強しなおしの日々なので、今日は「肝硬変に伴う腹水管理」についてまとめたいと思います。参考にさせていただいたウェブサイトは下にソース元を載せてあります。何故、このサイトに出会ったかと言うと、「マッサージ」で検索をかけたからなのです。
というのは、この度、医師から「穿刺した辺りをマッサージするように」という指示が出ました。ですが、看護師一同「マッサージ?」となりました(苦笑)。看護師は、少なくとも私を含め、看護プログラムでは、どんなマッサージも特に習っていないのです。「medical massage」は、しかるベき場所できちんと学習して技を習得するものだという認識で、適当にぐりぐりしても、むしろ危険なのでは?ということで、それ以外の指示に従い、医師にはその旨を報告しました。
このノートは勉強用で、医療アドバイス用ではありませんので、ご質問は必ず主治医の先生までお願いいたします。
AscitesのGrade
Gradeは1~4まで。
3+ – 腹部の見た目 (abdominal distention) が顕著だが、まだ「tense」な感じじゃない段階
4+ – Tense
予後
Medical Treatment (Tx)になかなかrespondしない場合 (“refractory”なケース)、50%の方がEnd-of-Lifeで残り半年くらい。残り50%の方が一年くらい。参考サイトの筆者の方の経験では長い方で2年という患者さんもいたようです。
症状 (S/S)
↓appetite, indigestion, SOB, nausea r/t GI compression, fatigue, anxiety, depression, urinary urgency, ↓balance, ↓mobility, weight gain
症状は、malignancy cancerによるものか、CHFから来るものかで、少し違いがあります。
Malignancy (malignancy ascites) – 「Sister Mary Joseph nodule」がお臍部分に見られたら、malignancyタイプが疑われます。Weight loss (Chiejina et al., 2023).
CHF – jugular vein distention, peripheral edema, pulmonary congestion (Chiejina et al., 2023).
このノートは勉強用で、医療アドバイス用ではありませんので、ご質問は必ず主治医の先生までお願いいたします。
2次的な症状 (S/S)
Cardiac abnormality -> CHF, SQ edema (flanks or chest), bacterial peritonitis, peripheral edema (手足共), hernia (abdomen, groin, scrotum), Right-side PE, esophageal varices
Bacterial peritonitis – fever, abdominal distension, confusion
Esophageal varices – 圧迫されるので、ヘルニア同様、食道に静脈瘤が発生します。(S/S: vomiting large amount of blood, bloody stool, tarry stool, dizziness r/t blood loss)
Diagnostic Test
Total protein + Serum-ascites albumin gradient (SAAG)
Gradient ≥ 1.1 g/dL –> portal hypertension with 97% accuracy –> cirrhosis, alcoholic hepatitis, HF/pericarditis, hepatic metastasis, Budd-Chiari syndrome, portal vein thrombosis, and idiopathic portal fibrosis
Gradient < 1.1 g/dL –> peritoneal carcinomatosis, pancreatitis, serositis, nephrotic syndrome, peritoneal tuberculosis
CBC, CMP (cholesterol, blood glucose, albumin, amylase r/t pancreatic ascites)
Blood culture
mycobacterial culture r/t tuberculosis -ONLY if TB is suspected
X-ray – 横隔膜の位置がわかる
Ultrasound – most sensitive test to detect ascites. Morison pouch (intraperitoneal space) can be detected with small amount of fluid.
CT Scan – also detect ascites and mass if there is any.
以上 (Chiejina et al., 2023)
Treatment
paracentesis (abdominal tap), catheter
Diuretic medicine – がしかし、diureticsは水に作用するものなので、たんぱく質を含む水分には必ずしも良く作用しない、ということです。たんぱく質部分だけ体内に取り残されてfibrosisを引き起こしてしまいます。
paracentesisをした場合は、たんぱく質も一緒に除去されるので、体内のたんぱく質量が低下する可能性があります。また、繰り返し穿刺することで、腹水が溜まる速度がだんだん早くなる、とも書かれています。
平均は7Lで、約一か月毎に穿刺する必要があります。進行すると、だんだん短い期間になり、そのうち1~2週間毎の穿刺が必要になります。
うちの患者さんは、この度の穿刺が2回目ですが、1回目が4.5Lで、2回目が3.5Lでした。ドレイネイジが続くのは、除去がちょっと足りなかったのかな、とも思いますが、いずれにせよ、また溜まるので…。
Compression (abdominal binder)
Abdominal binderを勧める意見もありましたが、compressionの目的に合う場合に限ったほうが安全かと思います。また、必ず事前に医師に確認をします。
Compression with abdominal binder – 痛み(主に術後の傷)の軽減、動き回りやすくなる為、腹部にヘルニアがある場合、など
このノートは勉強用で、医療アドバイス用ではありませんので、ご質問は必ず主治医の先生までお願いいたします。
Reference
Chiejina, M., Kudaravalli, P., & Samant, H. (2023). Ascites. StatPearls. StatPearls Publishing. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK470482/
ちょっと年数が経っていますが、今回は多くの部分、こちら(↓)のサイトを参考にさせていただきました。
Mramor, J. F. (2015). Manual lymph drainage as a supportive therapy in the management of ascites. Science of Massage Institute. https://www.scienceofmassage.com/2015/01/medical-massage-ascites/?v=7516fd43adaa