休暇中、他所様宅に滞在しています。
そこで、調理を手伝っている際、とてもよく研がれた包丁の先で、指をほんのちょっとだけ、本当にちょっとだけ、0.5mmくらい刺してしまいました。
押せば血がちょっと出て来そうな位ほんのちょっと。
その時、その家の人が「ネオスポリン、あるよ!」と速攻で言ってきて、というか、言って下さって…。
どんな傷にもネオスポリンなんだろうな、と思わせられる発言。
人間には自然治癒力があります。
こんな小さな傷にもいちいち抗生物質入りの軟膏を塗る、その発想は、一体もともとはどこから生まれたものだろう?
きっと製薬会社の宣伝でしょう。
最近の医療施設では、antimicrobial stewardship という年に2-3回のコミッティがほぼ義務付けられているのですが、いかに、人が(医療現場の人間も含めて)安易に抗生剤を使用しているのか、考えさせられます。
保育所や幼稚園、デイケア、医療施設、老人施設では、一般に、抗菌の手洗い石鹸は使用しません。
毎日使っていたら、どんどんバクテリアを鍛え上げてしまいます。
バクテリアは人間よりどんどん強くなれる生物です。
私たちは戦うんじゃなくて、戦わない方向で行かないといけないのです。手洗いは、殺す目的ではなくて、洗い流す目的で。