ケロイドとは。ケロイドの定義
ケロイドとは、私達はよく口にしますが、それは大体は「スカー・ティシュー」です。ちゃんとした定義は、かなり違います。傷の枠の範囲を超えて、どんどん盛り上がってしまうのが医療的に言われるケロイドです。人種によっても出来やすさが違います。また肩の部分など、体の部位によっても出来やすい部分があります。肌の温度でも変わるようです。
外来で、帰ろうとしたら、MA(メディカルアシスタント)が「患者さん、もう一人いるよ。12歳だって。」というので、コンピュータを覗いたら、「手術の相談」という内容でした。
「手術の相談だから、ドクターだけだと思うよ」と言ったのですが、チラッとみたら「転んで出来た怪我の後、ケロイドが出来たので、その部分の手術の相談」ということでした。
他の医師のノートを見たら、「家族もケロイドが出来やすい体質」と書かれていました。サイズの記載があって、片方の膝が5cm、もう片方が2cm。
小さめなので、とりあえずドレッシング材で押さえるところから…ということで、外科医に予め、そして念のため、オプションの1つ、として、hydrocolloidドレッシングを渡しました。
true keloidじゃない場合、時間の経過と共に落ち着いたりしますが、前述のように、ドレッシング材で押さえたりすると効果が得られる(何週間もかかります)という報告があります。
12歳だし、膝だし、小さいし、他の医師も「不要なんじゃない?」と一度は説明しているようだし、いきなり手術、という選択肢はあまり現実的じゃないと思うのですが、記録によると、家族がどうしても手術をしてほしい、と希望している、とのこと。
普通の怪我後のスカー・ティシュー(scar tissue)です。ごく普通の傷の跡です。医師の説明の後、手術という線はなくなりました。
本当のケロイドの場合、手術をすると、体質的に、術後またケロイドが発生する可能性があります。
この12歳の患者さんは、全くそんな感じじゃなかったので、ドレッシング材も渡される必要もなく、お話だけで帰されました。