■ケロイド #217

外来で、帰ろうとしたら、MA(メディカルアシスタント)が「患者さん、もう一人いるよ。12歳だって。」というので、コンピュータを覗いたら、「手術の相談」という内容でした。

「手術の相談だから、ドクターだけだと思うよ」と言ったのですが、チラッとみたら「転んで出来た怪我の後、ケロイドが出来たので、その部分の手術の相談」ということでした。

他の医師のノートを見たら、「家族もケロイドが出来やすい体質」と書かれていました。

サイズの記載があって、片方の膝が5cm、もう片方が2cm。

そんなに小さいんじゃ、とりあえずドレッシング材で押さえてみたらどうかな、ということで、外科医に予め、そして念のため、オプションの1つ、として、hydrocolloidドレッシングを渡しました。(余計なお世話的な)

が… 外科医に「何これ?」と言われました。

何これって…そんな… 苦笑

外科医の反応は「ホントなのかよ~、エビデンスを出せ」と言うもの。

やっぱり外科医は切って切って切るのが仕事なんだな~!

true keloidじゃない場合、時間の経過と共に落ち着いたりしますが、前述のように、ドレッシング材で押さえたりすると効果が得られる(何週間もかかります)という報告があります。

12歳だし、膝だし、小さいし、他の医師も「不要なんじゃない?」と一度は説明しているようだし、いきなり手術、という選択肢はあまり現実的じゃないと思うのですが、記録によると、家族がどうしても手術をしてほしい、と希望している、とのこと。

なんだか珍しい親だな…と思いながら、外科医にエビデンスをテキストしていると、患者さんが入ってきました。外科医が「まあ、この場にいるんだから一緒に入ったら?」と言うので、「じゃあ」ということで一緒に入りました。

不安そうな硬い表情の12歳の女の子(可哀想に)が、膝をだした直後、私は、小声で外科医に「じゃあ、私はこれで」と言って部屋を出て帰ってきました。

普通の怪我後のスカー・ティシュー(scar tissue)です。

これで親は、我が子に手術を受けさせようとしているのか!とびっくりしてしまうくらい、ごく普通の傷の跡です。

ケロイドとは、私達はよく口にしますが、ちゃんとした定義は、かなり違います。傷の枠の範囲を超えて、どんどん盛り上がってしまうのがケロイドです。黒人の人とかに多いです。また肩の部分など、体の部位によっても出来やすい部分があります。

この12歳の患者さんは、全くそんな感じじゃなかったので、ドレッシング材も渡される必要もなく、お話だけで帰されました。

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