non-healing wound なかなか回復に向かわない褥瘡

■ Non-healing wound

■ 外科医のコンサルティング

■ 参考文献が無い

■ Wound Culture

■ ドレッシング材のトライアル

Non-healing wound

現在、なかなか回復に向かっていかない褥瘡があります。

Long-Term Careにいる患者さんで、ステージ4の褥瘡が肛門近くにあります。

60歳で、交通事故の為、背骨を損傷し、下半身不随です。普段は電動車椅子を使用しています。

肥満で糖尿病を患っています。

Suprapubic Catheterをしており、年に2回くらいUTIになります。

Bowel Movement の Incontinence があり、ご自分での便のコントロール不可。

記録によると、この患者さんは、この部分の褥瘡を数年前に一度手術しているようでした。

褥瘡は、3cm x 1cm x 2cm (深)。アンダーマイニングが2.5cm くらい両端にあります。

ドレイネイジはModerateな量の Serous drainage。でも最近、seropurulentに代わりつつあります。

外科医のコンサルティング

過去2回、外科的な観点からはどうだろう、と2人の外科医にコンサルティングをしてもらいました。

1人は、Wound VACを勧めました。しかし、NPWTでの治療は、褥瘡の場所、便のコントロール、看護師のケアレベル、を全て考慮した上、見送られることとなりました。

もう1人は、昔ながらのWet-to-dryガーゼのパッキングを勧めました。しかしながら、患者さんがガーゼのプレッシャーを痛みとして感じる為、Alginateでのパッキングにしています。

参考文献

似たようなケースの文献もなかなか無いです。

通常、このような褥瘡ケースは、入院して、便用のRectal tubingをしたりコロストミーをしたりして、形成外科手術での治療となるであろうかと思います。

でも、形成外科手術のオプションは、この感染症ハイリスクの患者さんには今は無いとして、ドレッシング材で治療しています。

Wound Culture

しばらく、ドレイネイジもserousで、創床もクリーンな感じだったため、Wound Cultureを取っていませんでした。それに、Incontinentの患者さんで、創床に便のパーティクルが入ることもあるし、Wound Cultureを取る必要はあるのか、という感じでしたが、取ることに意味がないわけではありません。

バクテリアがisolateされるであろうことはわかっていても、何のバクテリアなのかがはっきりしているのとしていないのとでは、大きな違いです。

Wound Cultureの結果、2種類のバクテリアがIsolateされました。これに関してはまたいずれ。

次なるドレッシング材のトライアル

新しいドレッシング材は、Mölnlycke社から出ているジェリング・ファイバーというドレッシング材で、シルバー入り。

通常シルバー(Ag)と言うと、灰色のイメージですが、これはクリーム色のフェルト生地みたいな感じ。ちょっと硬くてゴワッとしています。

ドレイネイジの吸収と、強さをちょこっと実験してみました。なかなか強くてしっかりしています。

ドレッシング材は長細い形に切って、週末なので担当の看護師に渡してきました。

Exufiber Gelling Fiber Anti-microbial Wound Dressing 湿潤環境及び感染リスクを抑えるジェリング・ファイバー・創傷ドレッシング