■Blister (水疱) の処理 #233

■Blister (水疱) の皮は切るか切らないか

■ドレッシング材

■結論

ここのところ、ブリスター (blister)/水疱が出来た方が立て続けにありました。

Long-Term Careで3件、外来でも下肢のブリスターの患者さんがあったりして、ブリスターの週だなあ、という感じ。

Blisterは、Blood-filled じゃないタイプのとBlood-filledのタイプがあります。

血か、血でないか(ローランドさんの「人類、俺か俺以外」みたいなのを思い出しますが…)。

■Blister (水疱) 部分の皮は切るか切らないか

教科書だと、「2cm以上は皮を切りましょう」とか「2cm未満は皮を残しましょう」とか書かれていたりしますが、実際は、そんなに2㎝のcut-offラインをもとに、切ったり切らなかったりするわけではありません。

Blisterの出来た箇所だったり、皮膚の厚さだったり、中のドレイネージが血か血でないかだったり、切るか切らないかは、そのBlisterによって違います。

皮が薄い場合

覆っている皮膚がとても薄い場合は、いずれにせよ破れてしまう可能性が高いです。この場合は、血か血でないかに関わらず、注射針を一差しして、そこからゆっくりガーゼにドレイネージを出してしまいます。皮は残して、平らにします。

皮膚の厚さに関わらず、身体の動きが多い箇所

手などは比較的皮膚が硬いのですが、毎日の通常の活動に支障を来す場合は、ドレイネージを出してしまいます。皮膚は出来るだけ残します。皮膚を残すことで、その箇所の皮膚が感染する確立を減らします。

中のドレナージがpusっぽい場合

サイズに関わらず、この場合も出してしまいます。中のドレイネージの成分が組織を「irritate」して、治癒に貢献しないからです。

小さな水疱

サイズが小さくて、中がPus (濁った白、黄色、赤、茶色等)っぽくなく、Serous (血でない色) の場合、また、Blood-filled (血ですね)の場合でも、irritableでない場合は、そのまま、ドレッシング材でカバーして様子を見ます。

明らかに皮膚の役割を果たしていない箇所は、残しておくと、wound healingを遅らせますので、除去します。

■ドレッシング材

Long-Term Careで、ナースに「Blisterがある人がいるんだけど、ドレッシングで覆っているから見て貰える?」と言われて、行ってみたら、薄い皮で覆われた6㎝くらいの楕円形のBlisterがテガダームで覆われていました。テガダーム (Tegaderm) は、薄いフィルムドレッシングです。剥がしたら皮も一緒に剥がれて来そうな感じです。この場合は、遅かれ早かれ破れるので、ドレイネージをキャッチするために、乾いたガーゼをテープで留めている方がまだいいです。この方は、Serousタイプ (Serum-filled Blister) でした。ドレイネージが透明タイプです。Blisterはフィルムドレッシングでは覆いません

寝たきりの患者さんの腿に出来たBlood-filled Blisterは高さがあって、皮が薄く、Hoyer liftを使用して患者さんを移動させるので、スリングで肌がこすれてしまった可能性があります。高さがあるブリスターで、スリングを使用されると、破れる可能性も高く、注射針で刺して、ドレイネージを出してしまいました。平らにしても、時間が経つとドレイネージが後からまた出てくる可能性もあります。平らにした箇所は、直径2㎝くらいでした。

Cavilon skin barrier liquidをアプライして(完全に乾燥させる)、2″x2″のガーゼを一枚あて、4”x4”のMepilexでカバーします。こうすると、中のガーゼが更なるドレイネージを吸ったらそれだけを交換すればよいし、フォームドレッシングでスリングからの摩擦を避けることもできます。シリコンベースのドレッシング材なので、様子を見る際の、貼ったり剥がしたりの肌への負担も少ないです。

このタイプは、治ると、平らになった血の色をしたブリスター部分が丸ごとスルッと剥がれて、綺麗になります。

小さな軽いブリスターは、2×2のドライガーゼをあてて、テープで留めておくだけでも構いません。一日二回くらい様子を見て、破けていたら洗浄するなどの処置をします。サイズが小さくて、破けないブリスターの場合、そのまま自然にサイズが小さくなって、何もしなくても治ってしまうケースもあります。

下肢の大小のBlister

静脈不全による浮腫があったり、フロセマイドなどの薬を服用し始めた場合等、膝下に大小複数のブリスターが出来る場合がります。この場合は、出来るだけドレイネージを出してあげてから、Unna Bootなどのドレッシング材で巻いて、ドレイネージの量に応じて、一週間に1~2回交換します。Unna Bootは、zinc-oxideなので、exudateケアにも比較的適しています。

Co-banで巻くと、ドレイネージのチェックが難しいので、Ace-wrapなどで巻いて、時々チェックする方がいいです。

Unna boot + Kerlix + Ace-wrap です。巻く際は、Blisterが足になくても、足の甲から膝下まで巻きます。ドレイネージの量によっては、Kerlixの他にAlginateやABD (abdominal dressing)、また、extra dry gauzeを足す場合もあります。

■結論

Blisterが出来る場合は、原因を追究することも必要です。原因が薬の場合は、医師が処方を続けるか否かを決めてくれます。

物理的な摩擦が原因の場合は、出来るだけ同じ摩擦が起こらないよう、また保護する意味でもフォームドレッシングなどで覆います。

中のドレイネージがPusの場合は、中のドレイネージでinfectionに発展しないよう、ドレイネージを出してしまいます。Blood-filledの場合も、多くは血の色をした「purulent」なドレイネージで、その場合は、栄養を含む普通の血液が入っているわけではないです。

ドレッシング材は、大きさにもよりますが、ドレイネージをキャッチするためのガーゼと保護のためのフォームドレッシングを組み合わせた物が一番効果的に思われます。でも、もっとこうした方がいいよ、というドレッシング材の選択があったら聞いてみたいです。

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