入院中の創傷のある患者さんには、時々、たんぱく質のサプリメント飲料が処方されます。
高齢者の患者さんで、カロリーが必要な場合は、総合栄養飲料(シェイク味のEnsureなど)が出されますが、そちらは通常、病院のキッチンから食事と一緒か、スナック時に出て来ます。
一方、たんぱく質のサプリメント飲料は、他の薬と同じように、ピクセスという薬の管理ボックスから薬局経由で出されます。
このサプリメント飲料は、名前を「ジュビン(Juven)」と言って、日本では、同じメーカーの日本支社から「アバント」と言う名前で販売されているのがこのジュビンに当たる商品かと思います。
このJuvenが、何故他の飲料と違って医師の処方のもと、薬局から出されるのかと言うと、たんぱく質がエネルギーとして使用された際、体内で窒素を生産し、腎臓に負担をかけることになるため、腎臓や肝臓に疾患を持つ患者さんには注意が必要なためです。
しかしながら、このサプリメントは、医師の処方箋無しに、普通にアマゾンで購入できます。「あ、そうなんだ…」という感じです。
結局は、健康な成人が飲む分には、特に医師の処方を必要とするほどではない安全なサプリメントとも言えます。
加えて、入院中は、医師の処方があることによって、薬として保険が適用される、ということも大きいかと思います。何故なら、このサプリメント飲料は、結構なお値段がするのです。
通常は、一日2パックを飲みますが、一パックあたり、大体3ドルします。一日に数ドル。創傷には早くて2週間で効果が表れるという研究結果があった(生産元のアボット社の報告)ということなので、そこから更に2週間、合計4週間(1か月)摂った場合、このサプリメントだけで、150ドルから200ドルかかってしまう計算になります。
サプリメント一つにそこまでお金をかけていられるか…というと微妙なとこだと思います。
サンプルを飲んでみましたが、味は、可も無く不可も無く… 普通にオレンジ味の飲み物です。
が、高齢者は、これを全部飲み干すのに、なかなか苦労します。
説明に沿うと、粉末を8オンスから10オンスの水で溶いて飲む、とあります。
1オンスは30ccなので、大体、コップ一杯強の水で、ということになりますが、一回くらいはいいとして、毎日、1日2回これが食事と一緒に出てきたら、どうかな… 私も… 残しちゃうかな、と思います。
創傷ケア看護師として、術後の患者さんには短期で出しますが、長期で出すことは、ほとんどないです。