KCI社から出ている使い捨てNPWT “SNAP”

今日、KCI社の方と、使い捨てのNPWT「SNAP」という商品のお話をする機会がありました。

SNAPは、バネの働きで陰圧を加える、「メカニカル(mechanical powered )」なdNPWT (Negative Pressure Wound Device)です。デバイスのdがNPWTの前に付くようです。

Wound VAC のように電気を必要とせず、PICOドレッシングのように電池を必要とするわけでもありません。

比較的小さな面積の創傷に適しており(13cm 四方以下)、ドレナージ量が週に100ml以下の場合に限ります。

出版物によっては18cm四方以内及び、ドレナージ80ml以下、と書かれている場合もありますが、私は、それ以下というふうに伺いました。

電気や電池じゃないので、エアリークは音やランプの光で知らせるのではなく、色で知らせます。エアリークがあると、緑の部分の上記に赤い線が現れます。

カートリッジ本体の上部に、「キー」を差せるようになっており、それを押すことで圧を加えることができます。

SNAP™ Therapy System

KCI社のサイトから(www.mykci.com)SNAP™ Therapy System

基本アイテム3点

カートリッジ

陰圧を加える+ドレナージを吸い込むキャニスターにあたる緑の部分。上部からT字型の「キー」を差し込んで陰圧を加えます。使い捨てです。送られてくる際、チューブは離れた状態で届きます。圧は-125mmHgですが、他に-75mmHgと-100mmHgもあります。

チューブ付きドレッシング

チューブとドレッシングは予め合体しています。ドレッシングの素材は、他のwound VACのテガダームドレッシングと違い、ハイドロコロイドのドレッシングです。

何故テガダームでは無いのか、の、答えは、「付き」が良くて、エアリークしにくく、肌に優しい、という理由です。

確かに、通常のwound VACのドレッシングがこれと同じハイドロコロイドだと、無駄+不経済すぎますしね。

チューブは、創傷の場所により、短く切ることが可能です。

フォーム

(大)と(小)のサイズがあり、使用できる創傷サイズが(大)サイズのドレッシング内に収まる13㎝角以内、ということになります。

この青いフォームは、ちぎれ度が、黒いgranu-foamよりもちぎれにくく、白いtunneling 用のフォームよりもちぎれ易い、いわば、こんな↓感じの順番です。

比較的もろいので見える箇所のみに使用:黒いドレッシング(granu-foam)

どちらでもない中間:青いドレッシング

ちぎれにくいので見えない箇所にも使用可:白いドレッシング (トンネル用のwhite foam)

価格

まず、このSNAPは、主に、外来用です。

施設内(病院、SNF、リハビリ施設)の患者さんに使用する場合は、保険会社からの費用の戻りが無い場合が多く、施設側の自費になります。外来の場合は、保険適用になります。

外来の患者さんにwound VACを使用する場合は、予め、保険会社へ提出するフォームに記載してKCI社にFAXする必要がありますが(じゃないとKCIが送ってきてくれません)、このSNAPは、扱いが、他のドレッシング材と同じような扱いで、外来のクリニックが予めストックして、または購入して、使用した分だけ、保険会社に申請します。

カードリッジ約$150。ただし、購入時に、10個入りケースを注文する必要があるので、高価。10個で$1365也…。カートリッジの交換は、週に1~2回です。満タンで60mlです。

ブリッジ・ドレッシング材約$87。但しこれも10個入りケースの購入で$792。これはブリッジ型に予め型取ってあって、上記の青いフォームと合わせて使用します。これには、エアリークを防ぐ、俗に言うEakin(Convatec社)と同じような物が一緒について来るようです。

足につけるベルト:カートリッジが収まるようにデザインされた黒いベルトです。腿や下肢につけます。$25也。

というわけで、カートリッジもドレッシングも週に二回取り替えた場合は、週に$500位の金額になります。保険が適用になる、とのことですが、前払いが痛いです。

TIP

カートリッジに陰圧を加えるための「キー(上部から差し込みます)」は、カートリッジを捨てる際、一応、捨てずに保管しておくと良いようです。