■ガラガラヘビ(Rattlesnake)に噛まれた指 #121

Rattlesnakeというのは、日本語でガラガラヘビというやつですね。

40代男性がヘリで搬送されてきました。

ガラガラヘビが家の周りにいっぱいいて、何をしても、除去できないのだとか。

そしてとうとう噛まれてしまったのだそうです。

大型犬を連れての搬送だったのですが(医療用というのでしょうか、サービス・ドッグというやつですね)、犬も子犬の頃は噛まれたそうですが、翌日には何ともなくて、でも、それ以来学んで、蛇を見ても近寄らないらしいです。

毒を出してる暇があったら病院へ

皆さんご存知のように、ガラガラヘビには毒があって、バクテリアもあって「(+)及び(-)」、その箇所が炎症を起こす以上の状態、Cellulitis とか 皮膚組織の壊死になってしまったりします。

この患者さん、取る物とりあえず、着の身着のまま、という感じで、携帯だけ持ってヘリで来たわけですが、何だかよくよく聞いたら、家で酢に浸けていて…とか言っているので、「え?なんだ、もう速攻で運ばれてきたのかと思った」とびっくりしました。

住んでる場所が山の中過ぎて、ほとんどヘリ以外の選択肢が無かった、という方が正しかったみたいです。

ガラガラヘビと聞いたら飛んでいくでしょうしね!

二日で退院

治療は、担当の医師がカウンティのPoison Control とコンタクトを取りながら行われていて、ヘリで搬送されては来たものの、明日には退院とのこと。

手と腕の腫れもありますが、看護師が定期的にサイズを測って記録しており、腫れも痛みも徐々に落ち着いてきているような感じです。

噛まれたのは親指ですが、腕全体が腫れていて、痛みは肩にまでいっているようです。

一日目は、antivenom (解毒剤) と鎮痛剤の治療で、意外にも、抗生物質の投与はされていません。私はてっきり、抗生物質がお約束ですぐに出されるのかとばかり思っていました。

念のためにカルチャーを取って、私のすることは、噛まれた指の局所的なケアです。

噛まれた箇所からドレナージがあるのですが、抗生剤入り軟膏とかを塗るとドレナージを止めてしまうため、洗ってガーゼをあててネットで押さえています。

感じからして、ネットは1、2時間で取り去られるのはわかっていますが…。

帰り際ちょっと寄って、「帰るけど、何か必要?」と聞いたら「携帯のチャージャー持ってない?」と聞いてきました。確かに。それは着の身着のままの下着よりもっと必要ですね。

Acetic Acid

ちゃんと治っているわけじゃないので、家でのケアは継続的に必要です。

Acetic Acid はいわゆる酢・ビネガーで、文字通り酸性なので、そのpHの低さで菌の繁殖を抑えます。

ビネガーは、比較的安全ですが、濃度が1%くらいだと、肌も痛めず、菌も繁殖せず、のようです。濃度については、以前、文献があったので、後程追加しておきます。

(比較的安全と書きましたが、よく色んな事に酢を使う人がいますよね?歯磨きとか。そういうのを推奨しているわけではありません、念の為。)

これが、濃度が低すぎても効果を発揮せず、やはり、1%以上の濃度が望ましいですが、あまり濃くても、浸かっている部分の皮膚に強すぎても駄目なので3%前後です。

でも、このエキセントリックな患者さんは(蛇に向かっちゃったらしいです。だから噛まれたりするんですよ…)、「薄めるとか言わず、原液でサッサと治す!」とか言っていて…。(苦笑)何を持って原液と言っているかはわかりませんが、家にアップルビネガーがあると言うので、半分に薄めて使用するようお願いしました。

ちなみに、統計上、1番蛇に噛まれやすい年齢は、30代〜40代男性、と出ています。次が20代〜30代男性。

蛇とは戦いませんよう…。

下記は、Acetic Acid (ビネガー)に関する参考文献です。

もし興味がありましたら、見てみて下さい。効果に関する表が出ています。

Agrawal, K. S., Sarda, A. V., Shrotriya, R., Bachhav, M., Puri, V., & Nataraj, G. (2017). Acetic acid dressings: Finding the Holy Grail for infected wound management. Indian journal of plastic surgery : official publication of the Association of Plastic Surgeons of India, 50(3), 273–280. doi:10.4103/ijps.IJPS_245_16. Retrieved from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5868106/

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