Wound Culture と Antibiotics と CDI

タイトルにあるCDIとは、C-diff infection、Clostridioides difficile infection、クロストリジウム-ディフィシル感染症、です。

前回、比較的クリーンな潰瘍のwound cultureが採られたことをちらっと書きました。その患者さんはその後、C-Diffになって、酷い下痢に見舞われました。C-Diffの下痢なので緑色の液体です。胆液色です。

こうなると、そのままでは、肛門周りの皮膚がやられてしまうので、皮膚のバリアは必須です。

Wound culture の結果、バクテリアが検出されたとのことで、Antibioticsも2種類IVで投与されていました。結果、C-Diffが引き起こされました。

慢性的な潰瘍には、バクテリアはつきものです。

Wound cultureを採ったら、バクテリアが検出される可能性は大です。

そのバクテリアの検出結果を見てantibioticsが投与されたら、眠っていたC-diffが暴れだした… (保菌者だけど、症状が出ずにおさまっている状態だったということですね)

往々にして食欲が減退するので、脱水症状になるリスクも高くなります。結果、IVで栄養と水分を補給することになります。

UTIもからんでいたようだし、患者さんの状態は皆んな違います。なので、シナリオは必ずしもこんな感じじゃないかもしれませんが、安易にwound cultureを採るとこんな感じになる可能性も大です。

Wound bedがクリーンなら、多くの場合、wound cultureを採るタイミングではありません。慢性的な潰瘍のWound cultureを採る場合は、主に、潰瘍の状態が悪くてAntibioticsを必要としているような時です。(状況によってはその限りではありません。)

患者さんの健康状態は何物にも代えられないですし、加えて、それらにかかる発生した様々な代金が患者さんにチャージされるとしたら、それはフェアではないですよね?たとえ保険でカバーされるとしても…。

下記のウェブサイトに詳しく書かれているので、もしよかったら読んでみてください。

クロストリジウム-ディフィシル感染症について。横浜市のウェブサイトです。

https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kenko-iryo/eiken/kansen-center/shikkan/ka/clostridium1.html