なかなか好評「Hypafix」テープ (12/2/22 更新)

12/1/22 更新部分は下に

12/2/22 更新部分も

最近、「Hypafix (ハイパフィクス)テープ」という商品を気に入ってて、あちこちで使ってみています。

This image is from Smith & Nephew website, Hypafix product page

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そんなに値も張らなかったので、最初は自分でネットで購入しました。

Hypafix

Hypafix

Hypafixテープの優れた点

このテープは、次のような点において優れています。

  • Hypoallergic - 敏感肌にも優しい
  • 剥がすのが簡単だけど、使用時にはきちんとついている – 「cyanoacrylate」というSkin barrier の主成分が表面についているためです。
  • 柔軟性がある
  • バッキングがついているので扱いやすい
  • ハサミで切りやすい
  • 患者さんに必要分だけ分けてあげられる

実際に使ってみた感想

患者さんごとに述べてみたいと思います。

患者さん1 何故かテープがやけに強力にくっつく肌に

この患者さんは、何故か、粘着テープが非常に強力にくっつく肌で、他の患者さんと比較しても、テープをはがすのが一苦労です。途中ではがれちゃう心配はないのですが、いざはがすとなると痛いくらい剥がれない。正直、こんな患者さんにはこれまで会ったことがありません。この患者さんに、Hypafixテープを使用しましたところ、ご家族の方が大変喜んでいました。「このテープは剥がす時に痛くなくてすごくいい」と言っておられました。使用時はちゃんとくっついているけど、剥がす時もはがしやすい。

患者さん2 耳輪の褥瘡部分に

この患者さんは、右に体が偏る傾向にあり、右の耳輪 (ear helix) 部分に褥瘡が出来てしまいました。耳の軟骨部分 (ear helix/ear cartilage) は、形に凹凸があり、ドレッシング類が貼りにくいのですが、Hypafixテープは、柔らかく伸縮性にも富んでいて、どんな凹凸部分にも対応可能です。紫色のDTIから始まった褥瘡でしたが、Hypafixを貼って保護し「Turn & reposition」をすることで、間もなく完治しました。

以前、耳に同じような症状の患者さんがいたのですが、その箇所に、通常のバンドエイドを貼ったり、切ったフォームドレッシングを貼ったりしても、どうも収まりが悪かったのです。

患者さん3 家で使用するサプライ用にも簡単に分けてあげられる

Hypafixテープと似たような商品(テープ)も存在します。そちらはロール状になっていて、Hypafixのようにバッキングがあるわけではありません。患者さんに何日か分のwound careのサプライを渡してあげる際、Hypafixテープだとバッキング付きで一回分ごとに切ることができるので、「はい、5日分ね」と渡してあげることが簡単にできます。

渡す方としても、具体的に使用するテープを使用する分だけ渡すことができて、患者さんも迷うことなく「これで貼ればいいのね」となるので分かり易くていいです。

以上、最近気に入っているテープについて述べてみました。以後、病院の予算で買ってもらおうと思います。

12/1/22 患者さん4

今日、外来に来られた患者さんは、85歳。一人暮らしの方で、wound careも当然、ご自分でされなければなりません。

トリートメントのプランは、比較的乾いているwoundに10% iodine液を塗って、ドライ・ガーゼでカバーするのみ。

2か所あったので、私が一か所にドレッシング材を貼って、その後、もっと症状が軽い部分を患者さんにやっていただくことにしました。

説明を聞いてもすぐに忘れちゃうというので、紙に手順(と言っても2つのみ)を書いて渡しました。

患者さんは、ゆっくりHypafixのバッキングをはがして、ガーゼとともに患部をドレッシング材で覆うことができました。

ハサミでテープを切る作業も不要で、簡単にHypafixの裏紙(バッキング)をはがすことができていました。

一週間分のHypafixテープを一回分づつ患者さんに渡してあげることができて、患者さんもホッとした感じでした。

12/2/22 患者さん5

今日来られた患者さんは75歳男性。いつも家族の誰かと一緒にこられて、wound careも基本的に他力本願です。家でのwound careは無理、と仰るので、しょうがないので今週は、3回ドレッシング交換にクリニックに来てもらっていました。今日が金曜日で3回目。

今日一緒に来た家族の方は、20代のお孫さんでした。「家でドレッシング交換をするサプライとかもらえるんですか?」と聞くので、「家ではできないとおっしゃるのでクリニックに来てもらっています。本当は、家で毎日交換してもらえたらもっと早く良くなるんだけど…」と言うと、この週末は家にもっと人がいるので交換できるかもしれない、とのこと。

ドレッシング交換してほしい箇所は、左の腿の内側の小さな潰瘍部分。3か月もずーっと治らないまま、あちこちで診てもらっていたとのことでした。1.5㎝x1.0㎝の小さな潰瘍ですが、ドレイネイジも「purulent」で、できれば一日2回交換してほしいくらいなのです。

Hypafixのテープを紹介して、「昨日、80代の患者さんとこのテープで練習したけど、ちゃんとできていましたよ。だから(貴方も)絶対できますよ。」と言ったら、一緒に来られた家族の人も、Hypafixを気に入って、これなら出来そうじゃない?と、応援してくれていました。というわけで、これからももっと使っていきたい商品です。