■褥瘡の治療(回復)に一番必要な事 #104

先週リハビリに入ってこられた認知症の患者さんは、1㎝くらいの大きさの丸い形のステージ2の褥瘡と、その周りに6㎝くらいのステージ1の褥瘡がありました。

ステージ1の褥瘡は、皮膚はちゃんとあるけど皮膚の色が赤くて、手で押してもその赤味(赤くなっている皮膚の色)が変わらない状態です。そして、ステージ2の褥瘡は、上皮が失われている状態で、それ程深くなくて肌の表面だけ、くらいの深さです。

この患者さんは、認知症が進んでいて、初日は、言葉にならない独り言みたいのを、もごもご喋ってる感じでした。

1㎝くらいのステージ2だと、それほど日にちも経ってないことが多くて、割と短期間で回復します。

でも、リハビリに入る前は、転倒・骨折のためにERに来て、そのままMed-Surgに移って、Med-Surgに2,3日いました。

Med-Surgでもサイズは同じで、1㎝ + その周りに6㎝でした。

認知症の感じも、褥瘡の感じも、Med-Surgにいた3日間は、変化があまり無く、悪化もしないけど、それ程の向上もない、という感じでした。

リハビリフロアは、部屋も大きく明るくて、スタッフもいっぱいいて話しかけられるし、フィジカルセラピーもあって、朝は有無をも言わさず起こされてベッドから出されます。

今日、週末を挟んで(三連休でした)部屋に行ってみたら、なんと、なんと、私の顔を見て「どこから来たの?」と私に聞きました。

「日本だよ」と言うと「え、ええ~っ?!」ってあんまりすごいびっくり度なので、私もちょっと笑えてしまって…。

でも、なんかちょっと会話っぽいじゃないですか!

抗生物質とか出されていないので、単なる転倒+骨折(そしておまけ的な褥瘡)での滞在なのですが、きっとこの褥瘡の感じは、病院に来るまでの何日かと(家で)Med-Surgの両方でほぼずっと寝たきりだったのでしょう。

そして、会話だけでなく、既にステージ2は治っていました~。

嬉しいなあ。

タイトルにあるように、褥瘡の回復に一番重要なのは、それは、とにかく「動くこと」です。

どんなに認知症でも、喋らない患者さんでも、骨折していても、ベッドに寝たままにさせておかないということです。

栄養とか、ドレッシング材とか、いろいろな事も関与するでしょうが、一番は「モビリティ」です。

あと、患者さんに笑顔があったら、=回復する、っていうイメージもあります。