Wound VAC のトラブルシューティングの1つにキャニスターのチェックがあります。
キャニスター自体に不具合があることは滅多にありませんが、それでも皆無ではありません。
ドレッシング材は完璧なのに何故か、NPWTが機能していない場合などは一応キャニスターの不具合も無いわけじゃないということを、頭に入れておいたほうがいいです。
また、その他の理由でアラームが鳴っても、とりあえずキャニスター自体には問題が無い、というように「Opt out」することが出来るので、トラブルシューティングの時間が短縮できます。
キャニスターに不具合が無いかどうかの確認は、取り付け前に一分もかからず簡単に出来ます。
キャニスターの不具合チェックの手順
写真付きで手順を説明します。確認は本当に簡単です。
これは、外来の患者さん用です。KCI/3M社のNPWTを使用する場合は、外来の患者さん用は、デフォルトでこのタイプです。キャニスターの容量は300mlで、病院用の300~500mlと変わりません。
キャニスターをパッケージから出して、デバイスに取り付けます。デバイスの横に押し込むとカチッと「ラッチ (latch)」する音がします。
取り付ける際、このキャップはつけたままです。
写真に写ってませんが、スクリーンの下にある白い「ON」ボタンを押します。
「通常の音」でデバイスが作動し出して、画面には125mmHgと出ます。
これだけです。
この作業だけで、とりあえずキャニスターには不具合が無い、という確認ができます。
白いキャップを外して、起動させると、空気漏れの音がします。
キャニスターに不具合があった場合には、KCI/3M社にLOT番号を連絡します。
アラームが鳴っても、画面の設定は関係無い
デバイスのアラームが何らかの理由でビーピングしだすと、看護師の中にはこの画面の操作をどうにかしないといけないんじゃないかと思う人がいます。
が、VACシステムのデバイスは、予め出荷前に設定されているので、使用する人が触るのは、「ON/OFF」だけです。(上記写真手前の段階で「OK」を押します。)
画面に鍵のロックが開いてる状態のアイコンが映っていますが、これは、圧等の設定を変えることが出来る、という意味です。
患者さんの創傷の状態によって、医師が「ちょっと弱い圧でいってみよう」と言う場合などには、125から下の圧へ変えることが出来ます。
ちなみに、Smith&Nephew社から出ているPICO(NPWT) の圧は、-80mmHgです。KCI/3M社から出ている小さめの使い捨てのNPWTは、-70mmHgです。
が、しかしながら、そんなことは稀で、ほとんどの場合、125なので、設定変更不要です。
アラームが鳴ったら、大体は、空気漏れか、キャニスターの詰まり(ドレイネージが多すぎる等)です。