NPWT VACドレッシングの保護フィルムを両面とも剥がす意味

NPWTのエアリークがあると、フロアのナースがVACドレッシングの補強をしてくれます。

平らな場所(お腹や脚など)の場合は、あまりエアリークになることはありませんが、足や脚の付け根等は場所的に、エアリークが時として起こります。

この際、頻繁に目にするのが、補強したドレッシング材を、片面しか剥がしていないことです。昨今では、片面にしか保護フィルムがないものが出ていますが、まだ両面フィルムのドレッシング材も使用されています。

Wound VACのドレッシング材が両面フィルムでおおわれている場合、片面さえ剥がせば粘着される状態にはなりますが、もう片面にフィルムがついたままの状態では、ちょっとゴワついた感じでピチッとした感じに貼られません。

フィルムドレッシングの両面を剥がす意味

Wound VAC用のドレッシング材が両面フィルムで覆われている場合、それはテガダームのドレッシング材に類似した感じです。

このフィルムドレッシング材の特徴は、患部をシールしていても、肌の呼吸を妨げないというものです。

人間は、通常の呼吸と同じように、肌からも酸素を取り込み、二酸化炭素を放出しています。これをすることで、創傷周りの肌を健康に保つことができています。NPWTは期間が長くなることも多いので、創傷周りの肌にも負担は大きいですから、肌は出来るだけ健康な状態にしておきたいです。

片面だけ剥がされたままのドレッシング材の下にある肌は、目には見えませんが、ちょっと窒息状態になっています。NPWTのドレッシング交換は、長くても3日目くらいには起こりますので、その窒息状態はずっとは続かないにしても、それでもやっぱりフィルムは両面をきちんと剥がして下さい。

最近出ている3M社のドレッシング材は、シリコンベースで、剥がす際もBlisterができてしまう危険性が少ないです。以前のものでも、きちんと剥がせばBlisterが出来るリスクは低く抑えられましたが、忙しい医療現場では、べりっと一気に剥がされることもあって、Blisterができることが多くあったようです。これについてはまた今度書きたいと思います。