■術後の創傷ケア★パイロナイダルシスト #136

■患者&家族の創傷に対する認識は半分くらい

■フォローアップの予約の日★親だっていっぱいいっぱい

■学校に関して

■男女の違い

患者&家族の創傷に対する認識は半分くらい

クリニックから電話があり、「ロビーにサプライが欲しい、って言ってる患者さんがいるからお願い」と言うので、行ってみたら、患者さんじゃなく、お母さんだけでした。

お母さんが、切羽詰まった感じで、「これ(空のボトルを手に持っています)がもう無くて」と言います。見たら、手に持っていたのは、パッキングストリップという、穴やトンネルみたいな状態の創傷に詰め込むリボン状のものが入った(空)コンテナーでした。

こういうボトルです。


通常、病院で外来の手術をしたら、次のフォローアップの予約の日まで間に合うようなサプライをあげるので、このように、貰いに来る、というケースはあまりありませんが、私はこの患者さんを入院中と退院時に見ていないので詳細はわかりませんでした。

お母さんに、「何の手術だったの?」と聞くと、「わからない」とのこと。

それによっては、ボトルが1つじゃ足りなくなりますし…、でも、普通は、これを2つも3つも使うケースはあまりありません。

場所と(部位)はどこ?と聞くと「ええと、後ろ…」とだけ。

深さは?と聞くと、「4インチ」と言います?

4インチって?!10cm?! それは、か、かなり、深い。

4インチって言ったらこのくらいよ?!と、たまたま持っていた定規がついたドレッシングのパッケージを見せると、「そう、4インチ」と言います。

すごいなあ、その深さ。でも、以前、男性で、お尻近くに、8cmくらいの「穴状」の創傷がある患者さんがいたので、無いとも言い切れません。

そんなに深いんじゃ、このパッキング何で入れるの?Qチップで?創傷の口は狭いの?と聞いたら、狭いと答えます。

そんな、入り口が小さくて深くて細長いんじゃ、家にあるQチップ(綿棒)じゃ、無理でしょう。病院の長いやつじゃないと、というと、「そうそう、だからそれも必要」と言います。

ま、いいや、じゃあ、と、パッキングストリップ、とQチップと、ガーゼ類などをちょっとまとめてあげました。

ドレッシング交換は大丈夫?質問はある?と聞くと、「大丈夫、ちゃんとやれてる」とのことでした。

その後、クリニックのMA(メディカルアシスタント)とスケジュールの話をしていたら、「そうそう、金曜日、新しい患者さん来るよ。14歳。名前は… 」と言うので、え?もしかして、最近手術したっていう?」と確認したら、そのお母さんの子供でした。

「何の手術だったの?」と聞くと「パイロナイダル・シスト」と言います。

え?!すっごい深い、って聞いたけど… と言うと、「深さは2.5㎝」とのこと。

「… 2.5cm…?   お母さん、4インチ、って… 」

「お母さん?何のこと?何お母さんって。とにかく深さは2.5㎝。」

もう~、4インチ、って…  そんなパイロナイダルシストあるわけがないんです。子供なのに。

それで、しかも、なんで、パッキングストリップ?と、それは病院側のことなので、置いといて…。

お母さん、毎日3回交換と言われて、毎日3回そのwound と向き合っていると思うのですが、サイズの認識が違いすぎるでしょう~

フォローアップの予約の日★親だっていっぱいいっぱい

私が部屋に入ると、患者さんは(14歳女児)診察台にうつぶせになっていて、創傷はとても綺麗なそれ相応の(?)サイズでした。

(お母さんに)「4インチって何?もう~(笑)」と言ったら、お母さんも、笑って「もう、突然こんな、手術とか、wound care とかで、頭がいっぱいいっぱいなのよ」と言っていました。

確かに、そうだと思います。こちら側は、数ある患者さんのうちの1人ですが、患者さんにとっては、過去に経験もない、わけわからない出来事で、お母さんは特に、一日三回もドレッシング交換をして、毎日の生活が、ドレッシング交換を中心に回るんですから、精神的な負担も大きいと思います。

しかも、この高校の一年目の新学期の開始を直前にして…。

学校に関して

お母さんが「学校にどうやって行こう」みたいな感じで、頭を抱えているので、えっ、まだ、そういう段階?とちょっとびっくりして、「行けませんよ。いや、行けないことは無いけど、最初はもう痛くて座ってなんかいられないと思うから、少なくとも最初の2週間は皆んな休みますよ。」と言ったら、そこで初めて医師に書類の作成をお願いしていました。

退院時にもう既に学校提出用の書類をもらっているのかと思いました。

2週間も行けなくて困ったなあ、的な心配をしているので、「それは心配しなくてもいいと思う。学校にとっては貴方の娘さんが初めてじゃないし、本当にいっぱいいるから、学校も『はいはい、いつものこれね~』って感じだと思いますよ。絶対に。」と言ったら、ちょっとホットしている様子。

それは本当で、学校は、2週間のお休みが、その後、結局4週間に延長になったところで、それもいつものことで、「はいはい、わかりました~」って感じのようです(他のお母さん説)。

最近の学校は、どこも、オンラインで、宿題や課題や教科書の範囲などが管理されていて、家にいてもあまりどうということはないのです。

男女の違い

それにしても… やっぱり女の子の方が強いです。男の子は泣いちゃうけど、女の子は泣きません。たとえ泣いても泣き方が違います。それに加え、横にいるお母さんの対応も男女で違います。

今日思ったことは、女の子は、自分で対処法を考えるイメージです。男の子はもっと単純で、横にいるお母さんに「痛い痛いもう~、やだ~、痛い~」みたいな感じ。

今日の女の子は、珍しいタイプで、お母さんにドレッシングのケアをお願いして、私は手をつないでくれたらいい、という要望でしたので、その通りにしました。

私の位置が彼女(患者さん)の顔に近かったので、聞こえたのですが、自分で自分に「痛くない痛くない、痛いのは一瞬だけ、はい、終わり」みたいに、呪文みたいな感じで自分にいい聞かせてて、これって、すごく精神的に大人なやり方、というか、認知行動療法的な対処法です。自分の行動を自分で実行中継をしながら自分の意識を高い場所からコントロールする感じ。何気にすごく感心しました。

決して男の子がどう、と言ってるわけではありません。男の子の場合は、患者さん本人よりも、もう横にいるお母さんが、もう自分の子が可哀想で可哀想で仕方なくて、横でおろおろしちゃってる感じです。涙ぐんじゃったりまでします。

お母さんにとって、男の子って特別な存在なのだろうな、と思わされます。

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