Wound Cultureを取るか取らないか

坐骨結節部分(ischial tuberosity)に褥瘡がある患者さんが入院しています。褥瘡のステージは3です。それ程深くはないですが、ステージ2は通り越しています。

青緑っぽいドレイネイジは、この方のincontinent(失禁)の状態も関係して、pseudomonas系のバクテリアだろうと予想されますが、バクテリアは複数のことも多いです。褥瘡の状態から、病院に来るずっと以前から衛生状態があまり良くなかったことがうかがえます。

病院に入院してこられたのは、内科的な要因で、入院した時点から抗生物質のIV投与がされていました。

そしてそちらの状態は落ち着いています。

さて、問題は…、問題というわけではありませんが、担当看護師達が「この青っぽいドレイネイジは! これはwound cultureが必要!」とワンワンうるさく言ってきていて…。

そうですね、カルチャーがあったらいろいろはっきりして良いでしょうが、時として無くても良いです。

医師もそう判断して、オーダーは出ていません。

医師からのオーダーが出ない理由

オーダーが出ない理由は…

1.Cellulitis等のWoundでないこと。Chronicなpressure ulcer (褥瘡)。

2.バクテリアの予想はつくが、そのために抗生物質を処方することはないであろうこと。

3.ドレイネイジの管理をもっと重要視して、ちゃんとした頻度でドレッシング材を交換すること(時としてちゃんとなされていない)

4.ドレイネイジ管理がちゃんとしていた2,3日前までは、青っぽいドレイネイジは消えていたこと。(状態が向上したので、一日2回から一回に変更になったのが3日前。でも、またすぐに2回に戻された。)

などなどです。

不要じゃないかな、と思っていても、判断を下すのは医師なので、オーダーが出たら勿論全然反論はしません。

Wound cultureの費用

今回、口には出しませんでしたが、カルチャーって取ると10万円くらいするんです。患者さんのケアよりも、お金の方が大事なの?ということでは決してないです。

昨今では、保険会社のチェックは厳しくて、例えば、上記のような状況でカルチャーを取った場合、本当に$1000かけてカルチャーをわざわざ取る必要はあったのか?というふうに後で追及されます。

不要なケアとみなされたら保険はカバーしないし、患者さんに請求した場合、それは患者さんにとってもフェアじゃありません。

今回の処置

この度は、ドレッシング材の交換頻度を、また一日2回に戻したのだから、3日4日はそれで様子をみましょう、ということなりました。

加えて、今まで内科的事情でシャワーできる体力がなかったのですが、内科的状態が向上したので、是非シャワーをして下さい、と看護師達にお願いしました。

3, 4日経過して

この患者さんは、ドレッシング交換の頻度を増やしたら、状態が向上して安定したので、そのまま同じケアを続けています。が、でも実は、結局カルチャー取りました。予想通り、pseudomonasでした。でも、抗生物質の薬無しで今のところ、回復に向かっています。

別件で

少し遅れて、同じような褥瘡がある患者さんの件で、また担当看護師から緑っぽいドレイネイジの報告がありました。こちらの患者さんは、体調が悪化する別の要因が複数あったこともあって、直ぐにカルチャーのオーダーが出されてIVのABT案件になりました。

まとめ

カルチャーは、慢性的な褥瘡であっても、患者さんの全体的な体調や状況により、ということです。実際には、悪化した際に早急に対応できるので、取ると安心なカルチャーなのですが、結局は医師の判断による、の一言につきます。