■3:30シンドローム#92

「3:30シンドローム」とは、以前も少し書いたことがある「Kennedy Terminal Ulcer」のことです。以前も書きましたが、この症状に出会った時は、この呼び名はそう簡単には口にしないです。

何故、この症状が3:30シンドロームと呼ばれるかと言うと(実際に呼んでいる人は周りにはいませんが)、朝の看護師のアセスメント時にはなかった症状が午後の3時半(8時間シフトの所では、次の看護師のアセスメント)にはあると言うあたりから来ています。それだけ進行が速い、悪化の速度が速い潰瘍、という意味です。

この度、またそのような潰瘍がある患者さんが入院してきました。

DTIのような紫色が尾てい骨の辺りに広がっています。

この段階で出来ることは、「Frequent Turn & Repositioning」体位を変えてあげることくらい。また、痛みが少しでも軽減するようにフォームのドレッシングで保護します。ドレイネイジは通常そんなに出ません。

結局、この患者さんは、間もなく(翌日)亡くなりました。その際、担当看護師が、他の患者さんの世話で丁度どうしても手が離せず、自分の対応が遅れたせいで…、と亡くなったのは自分のせいだ…と自分を責めていました。言うか言うまいか迷いましたが、「ラボの内容からしても、潰瘍の状態からしても、患者さんは、End-of-Life(終末期)だったと思う」と言いました。

今まで見た「Kennedy Terminal Ulcer」には、種類があって、3:30シンドロームは、悪化の速度が早いタイプです。そういった意味でも、通常の褥瘡とは種類が違います。