■褥瘡の治療にはその便をなんとか… #162

認知症がある高齢の患者さんの褥瘡がステージ2から3になってしまいました。

褥瘡は尾てい骨部分に出来ていて、患者さんには便失禁があるので、私がチェックに行くと、ドレッシング材は常に便をトラップしてしまっています。

そのトラップされた便が創床に何時間もくっついてしまっている状態。

ステージが2から3になってしまうのは、何も便が直接の原因ではありませんが、やはり便は尿よりも肌組織の健康を阻害しますので、治りに関係してきます。

褥瘡をチェックしに行く度に見るのは、柔らかすぎる便です。CNAは、下痢状でない限り、柔らか便でもそのまま拭き取って対処します。便をトラップしていようがいまいが、フォームのドレッシングそれ自体は上から見た感じが何とかなりそうなら交換をお願いしに行ったりしません。(残念ながら)

オーダーは、シフト毎(最低限のお願い的に)のドレッシングチェンジとなっていますので(その他随時)、朝の4時に交換されたドレッシングは、その後、何度便にさらされようと、交換されることなく午後の4時までそのままです。

この「その他随時必要とあれば交換」のオーダーは、ほぼ、あって無いようなものです。

ここで、フロアの看護師が、この柔らかさ(便の)ではいけない、と思うか、今交換したから私のシフトのタスクはこなした、と思うかで、結果が全然違ってきます。

この患者さんのADLの記録を見ると、何故か、便秘用の座薬が使用されています。でも、BM(Bowel Movement)は昨日ちゃんとLargeになっています。

通常のプロトコルは、RoutineにMiraLaxとかColaceとかが出されて、ちょっと1日2日出なかったらPRNのMilk of Magnesiaあたりが出されて、それでも出なかったら、Bisacodylのサポジトリーになるのがコースなので、たとえ今日出なくても、出ないからと言って、翌日速攻サポジトリーを入れる、というのはありません。しかもこの患者さんは、昨日ちゃんと出ていますしね。(CNAとの連携が悪いと、ちゃんと便が出ているにも関わらず、座薬を入れられたり、ということが発生します)

何故? と思って、フロアのナースに「今日、MR. 〇〇にサポジトリーあげてるの?」と聞くと「oh, He is fine. He always has BM in the morning. 」との返事。聞いた内容に対する答えじゃないけど、まあ、そういうことなんでしょう。それ以上聞いたところであまり意味もない感じです。責められていると思われても意味ないですし。

でも、それはそれでおいといて、それ以外に、2種類の便秘薬がRoutineで出されています。この便をなんとかしないことには褥瘡ケアがちょっと難儀…。

フロアのナースに、2種類のうち、どっちかをHOLDにしてもらえないかお願いしました。軽く「オッケー」の返事。

便の状態を尾てい骨部分の褥瘡の治療にぴったりの柔らかさに保って、かつ便秘にさせないようにするには、細かい観察とCNAとの連携が欠かせなくて、フロアのナースでそれをやってくれる人は残念ながら少ないです。

また、便が出るであろうタイミングでチェックして、ドレッシング材を汚さないように、などと考えてくれるナースはまず皆無と言ってもいいです。

でも、どちらも可能です。

また、尾てい骨部分にドレッシング材を貼る場合は、切込みを入れるなどの工夫が必要で、例えば、四角いのをそのまま貼ったら、便が付着する度(今の状態だととても柔らかいので)に交換となると(実際は交換がなされませんが)、一日にメピレックスの類のドレッシング材を少なくとも3枚は交換となり、とても高くつきます。

最近、病院が導入したコンピュータシステムに沿ったケアだと、ナースは、スクリーンに現れたタスクをこなす的な働き方になっていて、何となく、患者さんの全体像を見られない感じがします。

「今日、ドレッシングもう交換した?」と聞くと「何のドレッシング?タスクに出ていないよ」と言われたりします。

コンピュータは、投薬に関するMedical error を防ぐにはとても役立ちますが、創傷ケアには、あまり貢献できてない気がします。

実際、ソフトウェア会社が、当初説明に訪れた際、「wound」の箇所をクリックしたら、真っ白で、何も入ってなくて、それから何か月か後、また説明に訪れた際も、同じ箇所がまだ白紙。

wound の位置付けはそんな感じだった、ということです。

でも、州の監査が入る際、叩かれるのは、創傷ケア特に褥瘡ケアです。とても詳しく厳しく調べられます。

Long-Term Careに対するガイドラインは年々厳しくなりますが、ある意味、それでいいと思います。患者さんを守るためには、しょうがないです。

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