■次亜塩素酸(HOCl)とは
■HOCl入り創傷クレンザー
■HOCl入り点眼薬
■次亜塩素酸(HOCl)とは
次亜塩素酸 (hypochlorous acid/HOCl) は、人間の体内で白血球の1つである好中球から自然に生成される成分です。好中球は、白血球の40~60%を占め、メイン成分というくらい重要です。
白血球(WBC)は、ご存知の通り、免疫の働きを担い、バクテリアやウィルスと戦い体を守ります。
市販のブリーチ(漂白剤)にも含まれるHOClですが、創傷治療目的で第一次世界大戦時に使用され始めました。しかし、その後、抗菌作用にはもっぱら抗生物質が使われるようになり、そちらが治療の主流になってしまいました。
それから約80年程経った今、世界は、抗生物質の効かない耐性菌との闘いに直面しています。そこで、人間の体内で自然に生成される殺菌効果のあるHOClが、改めて注目されている、ということのようです。
■HOCl入り創傷クレンザー
市場に出ている数ある創傷クレンザーの中に、SonomaPharma 社から出ている「Microcyn」という商品があります。
SonomaPharma 社のレプの話によると、こちらの会社から出ている創傷クレンザー及び目薬に、新型コロナウィルスの感染を抑える効果があることが最近正式に発表になった、ということでした。
新型コロナウィルスの感染に伴う肌の症状は主に発疹なので、創傷クレンザーと新型コロナウィルスの感染との関係が、頭の中で即座に合致しないのですが、きっと彼は「目薬」のことを主に指していたのかな、と思います。
というわけで、HOClの抗菌・殺菌効果は、バクテリアだけでなく、この度の新型コロナウィルスに対しても認められたということです。ウィルスには、通常、抗生物質は使用されないので、これからもっとHOClの需要が増えるでしょう。
また、体内で生成される成分なので、細胞組織に対する安全性が期待でき、鼻や喉の粘膜にも使用できる優れものです。
SonomaPharma社の創傷クレンザーの売り文句の1つに、「バイオフィルムを30秒で分解する」というのがあります。
体内で生成される、目や鼻の粘膜にも優しい成分だけど、30秒でバイオフィルムを破壊する強力さ! ギャップが凄いです。(SonomaPharma社のサイト)
こうなったら、創傷の洗浄後は、カウンターもこれでスプレー殺菌しましょう、という感じですね!
値段ですが、8oz. (237ml)のスプレーボトルで、1本$40~50します。
■HOCl入り点眼薬
新型コロナウィルスの感染は目の粘膜からも、ということで、現場で治療にあたる医療従事者はゴーグルなども着けて勤務しています。
ゴーグルをつけていても、更に目の洗浄を、という方には、このHOCl入りの点眼液がいいと思います。何度も言うように、目や鼻の粘膜にも優しく、細胞組織を破壊しない成分です。
治療としての目薬だけではなく、ドライアイや痒みなど、普段使いとしての点眼液にもHOClが使用されています。
Reference
https://sonomapharma.com/eye-care/
https://www.woundsresearch.com/sites/default/files/transfer/Innovacyn_WO_0515_web.pdf
http://www.ocusoft.com/hypochlorous-acid-in-the-fight-against-covid-19
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6303114/