「Di-Dak-Sol」希釈したDakin’s solution

かかとに出来た褥瘡を外科的にデブリーメントした85歳の患者さんがいて、家族がきちんと毎日ドレッシングを替えてくれているので、日に日に(というかフォローアップの予約時に)、良くなっています。

一か月くらい経ったので、サイズも直径4㎝くらいから1㎝くらいになりました。家族がちゃんとケアされているので、毎週来る必要もなく、2週間に一回だって不要なんじゃない?と医師は言いますが、あと少しの所で失敗したくないとの家族の強い要望もあって、2週間に一回通院しています。

80代の方ですし、新型コロナの感染の危険もありますし、そんなに来なくていいよ、と伝えたのですが、「それは困る」という感じだったので、2週間に一回来られます。

創傷は綺麗な赤い色で、小さいし、もう術後のDakin’s solutionじゃなく、生食水によるガーゼパックでもいい、と2週間前にその日勤務していた外科医に言われたのですが、まだ傷が大き目の時にちょっと早めにsalineにすると、fibrin tissueがかかってしまう時があるので、せめて、十倍に希釈したDakin’s solutionにしてもらいました。0.125%の十倍なので、0.0125%です。

この0.0125%は、商品として「Di-Dak-Sol」という名前で存在します。これは、ちょっと長期的なガーゼパッキングや洗浄に使われて、10倍の希釈でも、十分に菌を抑える効果が見られたという研究結果もあります。

うちの病院は経営難なので、そんなファンシーな新商品を買ってもらえる雰囲気はなく、単純に0.125%を十倍に希釈して、sterileのコンテナに入れて、2”x2”のガーゼを詰めて、すぐに使える状態にして患者さんに渡します。

これが一番、患者さんにとって簡単で、なおかつ安全な方法だと思っています。

しかし、昨日勤務の外科医に、今日もそれでいいかを確認したら「十倍に希釈って何だ。聞いたことないぞ」とのこと。

でも、特に、それに対してどうこう言う内容ではないので「じゃ、0.125%で」と、今日はちょっと濃いめで持って行ってもらいました。もう治るので、このまま「逃げ切って」貰いたいです。高齢の患者さんなので、引き返してもらいたくないです。

でも、十倍希釈も存在します。そしてちゃんと効果を発揮します。Di-Dak-Sol。