外来の医師からテキストが入って「今、来て」ということだったので、行ってみました。
行ってみたら、若い男性患者さんの足を前に、医師がドレッシング材と格闘していました。そして、患者さんに「c’mon doc. もっとちゃんとやってくれよ」みたいに言われていました。
医師は「僕は手術はするけど、こういうドレッシング材巻いたりとかしないから~。それにこれ僕がやった処置じゃないしね?」としきりに言い訳をしていました。
この患者さんはホームレスの患者さんじゃないのですが、ホームレスの人達以上に酷い乾燥と割れ目とhyperkeratosisとerosionが足の裏と五本の指の周りにありました。ちなみにhyperkeratosisは、medical diagnosisに当たってしまうので、看護師は使えません。看護師は見たままのthicknessとかdrynessとか、yellowの色とか、を記録します。
一週間前にERに来て、感染症ということで抗生物質の薬を飲んでいる最中とのこと。
足と足の傷をそれぞれ洗浄して、保湿させて、calamineとzincのドレッシングを巻いて、一週間後にまたね、と言ったところで、名前とか生年月日を確認して、「ところで何でこういう足になっちゃったの?」と聞きました。この時点で、医師はもう既に消えていました…苦笑。
「いつも外のコンクリートの所で犬を洗うんだけど、ついでにコンクリートもブリーチ剤で洗うの。その際、いつも、サンダルとか裸足とかでやるからこうなってしまった。」とのこと。
患者さんが帰って、私も記録を残さないといけないのでコンピュータ上でその患者さんのチャートを見たら、MRSAの人でした。MRSAはERに来た時点で採ったwound cultureの結果なので最近です。その後、Med-Surgに二日三日入ってたようですが、私は会いませんでした。
あの軽いラフな感じで外来に来たのを見ると、ちゃんとPatient educationがなされてないか、またはちゃんと理解されてないかです。
急遽患者さんに電話をして、もし、ドレッシングに耐えられなくて外す場合は、それでもちゃんと傷はカバーしてないといけない旨を伝えました。返事は「オッケー」みたいな軽いものでしたが…。ガールフレンドの話をしていたので、その他の注意事項もあります。
そして急にちょっと自分の事も心配になって、自分のクリニックの部屋での行動を振り返りました。
この度の新型コロナウィルスの感染の件では、外来の患者さんは全てコロナ菌保持者と思え、という感じですが、同じように、MRSAも、外来の患者さんは全てMRSA保菌者と思わないといけません。