看護師の立ち位置

看護プログラムの先生が

看護師はオーケストラの指揮者のようなものです

と言いました。

患者さんのケアには、担当の看護師の他に、実に多くの人達が関わります。

  • 担当医師(主治医)
  • 専門医(外科医等)
  • フィジカル・セラピスト (PT)
  • オキュペーショナル・セラピスト(OT)
  • 栄養士
  • 薬剤師
  • ケース・マネージャー
  • ソーシャル・ワーカー
  • スピーチ・セラピスト
  • リスク・マネージャー
  • 部署のフロアマネージャー
  • 検査技師
  • フレボトミスト(ラボ)
  • 看護助手
  • 専門看護師
  • 看護学生
  • 医学生

朝は特に、上記の人々が病室を行ったり来たりします。病室訪問へのタイミングを見計らいながら、上記各人が仕事をこなすわけですが、その真ん中にいるのが、担当看護師です。担当看護師は、患者さんのケアをしながら、患者さんの予定をまとめる役割があり、それはそれは忙しいです。

朝のうちに患者さんの部屋に行ってケアを終わらせよう、と思っても、実際に部屋に行くと、PT中だったりOT中だったり‥。また、シャワーをしていたり、食事をしていたり、X-ray技師が部屋にいたりする時もあります。患者さんも、朝は大体、ゆっくりしている暇はありません。

患者さんと看護師の比率は、州によっても部署によっても異なります。アメリカで看護師になろうとする場合は、その州の患者・看護師比率を調べてみるのもよいかと思います。例えば、ICUで患者さんを1人で2人担当するのと、4人担当するのとでは、忙しさが2倍です。

看護助手がいてくれるか否かでも、看護師の忙しさは全く違います。看護助手がいない場合は、ベッドシーツ等の交換や、患者さんのベッドバス、スキンケア、ベッドサイドの簡易トイレの使用の際の補助、食事の用意やヘルプなど、通常看護助手がする仕事内容が、全て担当の看護師にかかってきます。勤務先に看護助手がいるかどうかは大事なチェックポイントです。

創傷ケアの看護師は、1人の患者さんに30分以上要する場合も少なくありません。また、ケアの前に鎮痛剤を必要とする患者さんもいますし、担当看護師との連携は必須です。ケア中に痛い思いをすると、体力が無くなってPTを拒否したりする場合もあるので、PTを出来るだけ先に終わらせます。

朝の主治医のラウンド前に、患者さんを一通り見ておくと仕事もスムーズになりますが、前述のとおり、担当看護師のまとめ具合によっても仕事運びは大きく変わってきます。