■高血圧治療の第一歩はこれ。#227

高血圧は、通常、ハイパーテンション (hypertension) という呼ばれ方をしています。短く書くと、「HTN」です。ちなみに、心臓病はHF (Heart Failure)/CHF (Congestive HF) と書かれたり、2型の糖尿病がDM2 (Diabetes mellitus, Type 2) と、短く書かれたりします。

ハイパーテンションという言い方は、医療従事者は普通に使っているかもしれませんが、患者さんにハイパーテンションと言うと、「は?」となる人も多いです。ハイパーテンションと言うと、ハイパーで落ち着きがない人、みたいなイメージがあるのかもしれません。

COVID-19で重症化する人の半数は、この高血圧/ハイパーテンションを患っていると言われます。糖尿病よりも%が高いです。

CDC(アメリカ疾病予防管理センター)によると、COVID-19や、その他災害が発生した場合、病院へ搬送する人の76%は、高血圧、心臓病、糖尿病、呼吸器官系疾患等のいずれかの疾患があるとされ、そのうち、高血圧がダントツで一位です。

なので、この高血圧を事前に防ぐことで、この先の人生の疾患リスクを下げることが可能です。

予防って言っても、もう既に高血圧の薬とか飲んでいるし、という方は、もう既に治療をされているわけですよね? その場合は、症状を向上させるか、悪化をさせないようにしたいです。

そこで、最初の一歩なんですが、まず…

毎日、家で血圧を測定する!これです。

No improvement without measurement.

何かを向上させたかったら、数値が必要です。高血圧だけでなく、それがたとえメンタルヘルスでも同じです。

でも、これがなかなか出来ないんですよね。これ自分に言ってます。体重を測ることさえ、毎日なかなか出来ない。

某リサーチによると、家で血圧のセルフモニタリングをした患者さんは、何もしないで薬だけを飲んでいた患者さんよりも、回復率が高かった、とされています。どこかに文献がありましたが、後で探してリンクを載せておきます。

ということで、まず、購入しましょう。

手首にはめるタイプは、パスします。

普通に使用されている方もいますので、一概には言えませんが、病院で手首にカフをあてて測っているのを見た事ないですよね? 病院やクリニックでは基本的に手首カフタイプは使用禁止です。私が勤務してきた職場では、です。

駄目とはいいませんが、機種によって、正確度に差がありすぎて、どうなんでしょう…という感じです。測り方も手を心臓と同じ位置に、とか、普通のことかもしれないけど、通常、家で椅子に座ると、テーブルに置かれた手はそれより低い位置になりますし…。

以前、この手首タイプをはめて自分で測定したら、何度やっても、やり方を変えても、毎回200を超える血圧になり、「何だこれは!」となりました。

血圧測定器によっては、小、中、大、と3種類のカフがついて来るのもありますが、通常高血圧を患うのは、大人なので、付属のカフの数はあまり関係ないです。

コンピュータにつなげて数値を管理できる機種もありますが、それも、そんなに関係ないと思います。紙に手書きで記録する、くらいで十分なので、そういうのもそんなに気にする必要もないです。

どの計測器も大体、60ドル前後で購入できるかと思います。

腕にカフを自分で巻く場合は、計測器からカフを一旦外して、巻いて、それから繋げるほうが、断然楽だと思いますが、慣れるとご自分のやり方が出来ると思うのでそれはお好みで…。

当然、きつく巻くと、その分、血圧は高くなるし、ゆるく巻くと低くなります。運動の後だと高くなります。

毎日同じ時間に(朝起きた時とか)、同じ条件で測るといいです。

自分の血圧のベースラインを知るのが、第一歩です。

COVID-19の免疫やワクチンに関しては、まだ研究段階ですが、免疫は一生ものでは無いと言われていますし、そうなると、ワクチン云々よりも、血圧管理をする方が重要です。というか、そうならなくても、血圧管理、重要です。

以前、私の父に、高血圧なら血圧を家で測ろう、と言ったら、「病院で測るからいい」と速攻で断られました。家に血圧測定器がある人の数は、実際、とても少ないです。

病気は、1に予防、2に予防、です。