足の専門医 (podiatrist)

大体どこの病院にも足の専門医(podiatrist)がいます。

足に創傷や潰瘍がある患者さんは多いので、最近は、wound をひとまとめに担当する外科医とは別に、足の潰瘍は足の専門医に診てもらうことが多いです。

特に足の裏に出来る糖尿病性の潰瘍は、その周りにcallus(皮膚硬結)がどんどん蓄積されていくので、一週間経つと除去が必要になります。Callus の除去を診察の都度していくことは、足の潰瘍の回復に欠かせません。

そして、それを医師にスカーポル(scalpel)で除去して貰う必要があるのですが、外科医はそこまでしてくれません。ナイフを使用できるのは、医師のみ、と決まっているので、看護師の私が出来ることではありません。というわけで、そのような患者さんは、もっぱら足の専門医に予約を入れます。

足の専門医は、創傷のケアだけでなく、変形した爪のトリム、撮られたレントゲンのチェック、歩き方のチェック、履いている靴のチェック、糖尿病を患う患者さん用の専門靴へのオーダーなどを一挙にしてくれます。さらには病院内に入院中の患者さんまで診たりします。

これはうちの病院だけですが、この内容を全部網羅しちゃう患者さんも存在する中、この医師のスケジュールは、患者さん1人につき10分。一週間に一度しかうちの病院に来ないので、

勿論、10分で終わることなどほぼ不可能です。加えて、この医師は、患者さんの話もちゃんと聞いてくれて、必要な説明も省いたりせずちゃんとしてくれるので、いつも予約でいっぱいです。

その分、患者さんと患者さんの間の移動などは無駄な動きが一切ないような速さで動いて、MA(メディカル・アシスタント)も、その速さについていかないといけません。

私は、看護師なので、医師がいてさえくれたら、どの医師の下で働こうと一向に構わないのですが、足の専門医が私を必要とすることはまずありません。

しかしながら、私は時々その診察室に出没させていただきます。足の潰瘍の患者さんは、患者さんの回復のために専門医に回して診て貰いますが、そうなると、私がその回復の経過を見る機会を失ってしまうのです…。私的には少し悩ましい状況ではあります。

足の専門医は、私は看護師なので、立場的にも技術的にも、その足元にも及びませんが、私が勝手に師匠化している方です。