■アメリカの看護プログラムの一日のスケジュール #190

■看護プログラムの一日のスケジュール

■アルバイトと両立できるか

■夏休みや冬休みはあるのか

■長い休みに日本に帰国する時間的余裕はあるのか

最近、職場に高校生のボランティアの生徒が1人来ています。

アメリカの高校生は、卒業資格として、ボランティア活動を決まった時間数こなさないといけません。

年に15時間くらいです。4年間で60時間。計算すると、「なんだ、たいしたことないかな」と思われますが、やらないでいるとあっという間に月日が流れて、卒業前にあたふたする子もいます。

私が使っている部屋に何かと用事があって入って来る機会が多いので、時々会話をします。

今日、その子が「nursing programに入りたいんだけど、毎日のスケジュールってどういう感じ?」と聞いてきました。

そう言えば私も、看護プログラムに入りたいと思った時、「でも、毎日のスケジュールはどんな感じなんだろう」と気になっていました。

そんな時、nursing programのあるその学校で、地元の病院とnursing programの学生が共同で主催するヘルスのイベントがありました。

そこで、nursing programの先生に、毎日のスケジュールはどんな感じになるのかを質問しました。

その先生が、その辺にあった紙きれに、「毎日基本的にこんな感じ」というのを書いてくれて、その後、ずーっと、それをお守りみたいに持ち歩いてたのを思い出しました。

「小さい子供がいるので、事前に準備しておきたいから」と言ったら、「大丈夫よ。You can do it.」と言って、励ましてくれました。

■看護プログラムの一日のスケジュール

アメリカの看護プログラム(ADN、2年制)の毎日の時間割です。

学校によって、勿論違いはあると思いますが、ちょっとOFFを色で強調してみました。これを見たら、「あ、何だ、こんな感じか、じゃあ、いけるかな」とか思う方が多いんじゃないかと思いました。

ちょっと説明をすると、月曜と火曜のレクチャーは、内容によって、午後にずれ込んだりする日もありました。でも、朝9時の始まり時間は変わらなかったです。

image: nursing program daily schedule

nursing program daily schedule on a typical day

水曜日のオープンラボは、手技の練習です。注射の仕方、IVのバッグのかけ方、バイアルから薬を注射器に入れるとか、そういうスキルから始まって、IVをスタートしたり(日本語ではラインを取る、とかそんな感じですか)、サクションする練習(ヤンキーサクションじゃなくて、喉の奥まで入れる細いチューブの)、PICCラインのドレッシング交換、等々。

その都度、実技の試験があります。

というわけで、ラボの教室が開いているので、各自で練習します。先生も誰かしら居てくれて、質問などに答えてくれます。

この水曜日に、シミュレーションラボが入れられる週もあります。実習などは、グループで行動しますが、グループによって、スケジュールが異なります。

木曜日と金曜日は、病院その他の医療施設で、実習です。実際の病院でのシフトは朝の7時から始まるので、学生は6時45分にはフロアに到着して遅れないようにします。7時にフロアのナースが、シフトレポートをするので、それを聞き逃さないように、7時厳守です。

最初は慣れないので、水曜の午後に先生が翌日実習に行く病院に連れて行ってくれて、次の日の患者さんのチャートを確認させてくれます。予習する感じです。

これは実際に、結構な仕事量で、自分が受け持たせてもらえるであろう患者さんの薬を表にまとめて、ケアプランを作成します。

薬は、名前(Trend名・Generic名)、Dose、indications、action、side effect、contraindications、看護師が気を付ける点、などを表にまとめます。

入院中の患者さんは、PRNの薬(もしもの時のために一応出しておきますね、的なお薬)を含めると、相当量の数の薬が出されていて、これを一つ一つまとめると、時間がとてもかかります。

でも、これはとても重要で、じゃないと、実習先で、先生に、薬を準備したりあげたりする際に(どの先生も看護師なので、先生の監視下で患者さんに薬をあげます)、先生から飛んでくる質問に答えられません。

質問に答えられないと、「それがわからないでどうやって患者さんに説明するんですか?」とか「自分がわからない薬を患者さんにあげるつもりですか?」とか、責められます!

言われても当然の事で、学生はそういうわけで、表をまとめるだけでなく、頭にいれていかないといけません。

また、ケアプランも、慣れないうちは、チンプンカンプンです。でも、必修の分野なので、間違えると厳しく直されます。

というわけで、水曜日は、楽勝そうに見えて、そうでもない日です。

実習が終わると、ミーティングルームに集まって、アイスクリームとか食べながら(先生による)反省会です。反省会が終わると、帰宅です。

木曜、金曜に、実習の代わりに、シミュレーションラボが入る人もいます。

週末は、お休みです!

アルバイトをしたい人は週末のみ、とか、そういう人もいます。

■アルバイトと両立できるか

クラスメートの多くが、何らかの仕事をしながら学生をしていた感じでした。

でも、フルタイムの仕事は時間的に厳しいと思います。

1人、フルタイムでレストランで働いていた人がいましたが、プログラムを途中で辞めました。

逆に、仕事を入れないで、フルタイムで学業に専念、という人もいました。

クラスの人達が同時にやっていた仕事は、勿論千差万別ですが、次のような感じでした。

  • 看護助手(CNA)
  • テレメトリー・テク(ナースステーションでテレメトリーを読む仕事)
  • フレボトミスト(血液検査の採血する人)
  • レストラン勤務
  • ファーマシー・テク(薬剤師の下で勤務)
  • メディカル・アシスタント(クリニックで勤務)
  • ヨガのインストラクター

等々。

■夏休みや冬休みはあるのか

夏休みと冬休みは、プログラムが入っている学校の休みに合わせて(というより、同じ)、普通にあります。

夏休みのコースを取る人もいますが、夏休みは、どちらかと言うと、秋から始まる看護プログラムに備えて、一年目が始まる前の夏休みに「Prepコース」を取るくらいで、1年目と2年目の間の休みは誰もクラスを取ってなかったように思います。

学校によっては、授業のオファーがある所もあると思います。

2年目の夏は、もう既に看護プログラム終了して卒業していますが、コミカレなのでその後も継続して授業を取ることは出来ます。多くの人が、サマーコースとしてオファーがあったNCLEX-RNのPrepの授業を取っていました。

心電図を読む授業のオファーもあったので、私はそれも取りました。

というわけで、夏休み、冬休み、春休み、祝日等々、普通にお休みがあります。

■長い休みに日本に帰国する時間的余裕はあるのか

普通に休みがあるので、日本に帰国も全然大丈夫です。

最後に…

スケジュールを見ると、「なんか出来そうだ」と思われる人が多いんじゃないかと思います。実際、do-ableなんです。出来るんです。

私は、外国人だし、小さな子供もいたし、働かないといけなかったし、特別器用でも優秀でもなかったし、頼れる家族が周りにわんさかいる、とかいう環境ではなかったし、楽勝とは言えませんでしたが、それでも何とかやれたので、きっと私以外の多くの人は、私よりはずっと楽にできるんじゃないかな、と思います。

傍目から見ても、楽勝そうに楽しそうにやってる人は多かったです。そう見えただけかな~。