CollagenドレッシングとMMP

隣の病院の創傷ケア看護師と話していた時、Collagenドレッシングの話になりました。

実は私は、これまでいつもそれを使うタイミングを逃していて、患者さんが退院しちゃったり転院しちゃったり、はたまた治っちゃったりして、使うチャンスが巡って来ないのです。

ああ、早く使ってみたいなあ~、と言うと、「何でそんな物を使いたいの?」と聞かれました。

何故って… 使って「見たい」からです。

そしたら「どうせMMPにやられるのに」と言われました。

え?! え?!

MMPにやられるから使っても無駄だろう、と、そう言ってるの?

そう思う?! とまたしつこく聞くと「そう思う。使うだけ無駄」との返事。

そうなのかな…。

でも、だったら市場に存在しているのは何故?

まあ、存在価値があんまり無い商品は確かにあるにはありますが、これもその枠とはまだ断言したくない。少なくとも、この目で確かめるまでは…。

MMPとは、matrix metalloproteinaseという、タンパク質を分解する酵素です。

何種類もあって、acute (急性) とか chronic (慢性) とかに関わらず存在するもので、MMPのコントロール如何によって、創傷の治癒が促進されたり、長引いたり、します。

コラーゲンは、創傷が治癒するのに必要な要素ですが、コラーゲンもタンパク質ですので、MMPのコントロールがされずに、コラーゲンを分解してしまったら、創傷の治癒はいつまでたっても進まない、ということが起こります。

そこで、この、コラーゲンドレッシングです。カタカナで書くとちょっとそういう読みになって、何か違和感があるので、そこだけ英語書きにしてCollagenドレッシング、と書きたいです。

Collagenドレッシングは、それをWound bedに置いてあげることによって、コラーゲンの生成を促進するものではありません。

これは、そこに置いてあげることによって、MMPをこちらに誘導する、的な、そんな働きをするものです。

そして、MMPをよそ見させている間に、本来の自身のコラーゲンに治癒作業にあたっていただく、とそんな感じです。

なので、なので、無駄ではないと信じているのです…。

が何分にも、自分の目で見ていませんので、効き目の程についてはあまりコメントできません。(後日、使用する機会がありました。)

外来で使用すると、十中八九、患者さんは、自分でさっさと外してしまうことになる感じで、入院中の患者さんも、どんなお願いをしたとしても、朝行ったらフロアの看護師が「あ~、あれね、取れました」とか言うに決まってるんですよね…(←ネガティブ!)。

でも、だから、少なくとも、無駄じゃないと思うのです。Collagen ドレッシング。