■デーキンズ・ソリューション(Dakin’s solution)★創傷を漂白剤で洗浄 #9

  • デーキンズ・ソリューション (Dakin’s solution) とは、いわゆる、希釈された漂白剤(ブリーチ剤)です。傷口にブリーチ?!と思われるかもしれませんが、術後にデーキンズ・ソリューションのガーゼパック等、割と頻繁に登場します。

以前、外科医が患者さんに「まあ、ブリーチだけどね~」と笑いながら軽く言ったら患者さんがびっくりしてしまったことがありました。訪問中で部屋にいた家族が、慌てて「Therapeutic bleachってことよね?」と言ってくれて、笑って終わりましたが、普通はそう聞いたら誰でもびっくりしてしまうかと思います。

デーキンズ・ソリューションは通常、クォーター・ストレングス(Quarter strength)で、というオーダーになります。デーキンズ・ソリューションのフル・ストレングスは通常50%なので、クォーター・ストレングスは、0.125%です。
これが時々、フロアの看護師を悩ませるため、デーキンズ・ソリューションは、薬局で調合されて来ることが多いです。というか、写真にあるように、もう既にその濃度のボトルが薬局に置いてあるので、薬局のスタッフがフロアに他の薬同様に用意してくれます。

■ Dakin’s solution (デーキン液)と Acetic Acid (酢酸)の用途の違い

Wound bed(傷底)の様子は日々変わり、それは必ずしもいつも健康的で赤い色をしているとは限りません。Wound bed の表面が黄色や緑色がかっている時は、悪化してinfectionに向かわないよう、少しでも回復に向かうよう、医師は生食洗浄から抗菌液による洗浄に変える時があります。傷底からWound culture(菌の培養用の細胞)を取り、その結果次第で洗浄液を選びます。デーキンズ・ソリューションは複数の菌が傷底に混在する場合、そして、酢酸は主に緑膿菌(pseudomonas菌)に効くと言われています。緑膿菌は字のとおり、ドレナージが緑色です。

でも、デーキンズ・ソリューションのオーダーが出る場合は、カルチャーなんて取られていない場合も多いです。ブリーチなんだから何でもいいっしょ、みたいな感じで…。苦笑

デーキンズ・ソリューション同様、アセティック・アシッドのオーダーは、患者さんやご家族をちょっと不安にさせます。「そんなもの、傷につけちゃっていいわけ?傷にしみて痛いんじゃなくて?」みたいな感じで、かなり不安がります。でも、実際は、水をつけているのと同じように、何も感じないようです。

先日の患者さんは、Venous Ulceration(静脈性の潰瘍)が悪化して入院されましたが、アセティック・アシッドでの洗浄・パッキングで状態が落ち着いて、傷面に赤みが戻り、同時に痛みが軽減されました。ちなみにアセティック・アシッド0.25%です。

■ 保険対象外

州にもよりますが、デーキンズ・ソリューションもアセティック・アシッドも、どちらも保険対象外となる場合が多いです。基本的な考えとしては、どちらの液体も健康な皮膚の細胞をも死なせてしまう可能性があります。

というわけで、医師が処方したとしても、外来の患者さんはドラッグストアの薬局でもらうことが出来ず、クリニック内で手渡すか、生食(ドラッグストアの薬局だと、コマーシャルの添加物入りのになる場合もあります)での洗浄となります。

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