■ハイパーグラニュレーション(過剰肉芽)#155

■ハイパーグラニュレーション(過剰肉芽)

■ハイパーグラニュレーションの対処オプション

カーバンクルの炎症部分を(手術室で!)取り除いた(#154の患者さん)後、患者さんがフォローアップのためにクリニックに来ました。

I&D (incision & debridement) の翌週にあったフォローアップでは、創床は綺麗な赤い色で、患者さんが28歳の元気な方だったので、このまま順調に治っていくだろうと思われました。

でも、それから2週間後のフォローアップの日、傷はもう完治又はほぼ完治していると思われたので、クリニックで私は必要ないだろうから、MAにその旨伝えると「傷がふさがってないらしい」との答え。え…と思いながらクリニックに行ってみました。

2㎝の小さい傷なのに何故?と思いながら…。

ハイパーグラニュレーション(過剰肉芽)

傷がふさがっていない原因は、創床のハイパーグラニュレーションでした。

傷が治癒していく過程で、傷床にはグラニュレーション(肉芽)という組織が形成されます。

が、これが、過剰に形成されると、盛り上がってしまって、傷がふさがっていくのを邪魔してしまいます。

傷が治っていく時、上皮組織が周りから伸びていって創床を覆います。

でも、傷床周りの皮膚組織が乾いていたら、脱水症状で組織は死んでしまって、伸びて行ける皮膚は、そのもっと遠い所の正常な組織になって、その分時間がかかります。

さらに、ハイパーグラニュレーションの肉芽が目の前にそびえ立っていたら、その山を越えていく勢いで伸びていく必要があります。

ハイパーグラニュレーションになっている場合は、血が出てたりもします。

この患者さんの傷の周りの皮膚が乾いていたのは、周りの人に「傷は空気乾燥させるのが一番だ」と言われて空気乾燥させていたら乾いた、ということでした…。MRSAの傷だから、あれほど傷はカバーしておくように言ったのですが…。

ハイパーグラニュレーションの対処オプション

オプションとしては、2,3個あります。

■Silver nitrateのスティックで、肉芽組織を焼いてしまう方法。長いマッチ棒みたいなスティックの先を当てて焼きます。これは、外科医がやります。

■Bacitracinなどの軟膏を塗る。一回塗るだけで治まる場合が多いです。逆に何度も塗ると、その水分量でハイパー増進したりする場合もあります。

■ステロイド軟こうを塗る。ステロイドは、医師の処方が必要だし、上記のBacitracin軟膏などで済む場合が多いので、状況にもよりますが、あまり使用しません。

■ドレッシング材などで圧力をかけて肉芽の形成を抑える。これは、実際に圧をチェックするとかが難しいので、これだけではあまり効果がないです。また、過剰肉芽の形成が炎症による場合、ドレッシング材で押さえる、だけでは問題が解決されません。

今回は、外科医が「silver nitrate」を選択したので、外科医が焼きました。前任のwound care nurseは、自分でこれをさっさとやっていたようですが、私は、外科医にやってもらいます。やってもらいます、というより、私しかその場にいなかったら(後は内科医とか)、私の選択は焼かない方で行きます。

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