■アレビンドレッシング (ALLEVYN) ★子供の肌に優しいドレッシング #112

小児用のドレッシングで多いのは、病院や保険にもよりますが、メピレックス(Mepilex)ではなく、Smith&Nephew社のアレビン(Allevyn)です。Mepilexに比べ、肌に優しい感じです。

9歳の男児で、コロストミー(大腸の部分の人工肛門)と腎臓からのカテーテルが入っている状態でした。

便はコロストミーバッグに入るのですが、肛門や直腸から絶えず透明な粘液(ミューカス)が出るため、この患者さんは、ダイパ―(使い捨ての紙オムツ)を敷いていました。(最初の頃は、9歳という年齢で4歳の弟もいたので、オムツをするのに抵抗があり、敷いていたのですが、そのうち、ちゃんと「はいた」方がやっぱり良さそうだ、と自分で思ったみたいで、敷くのをやめました)

そして、ベッドで寝ているため、このミューカスが、背中の方へ流れて行ってしまうのです。

背中に流れると、ミューカスの水分で、尾てい骨のあたりの肌が絶えず濡らされていることになり、肌のブレークダウンを起こしてしまいます。

Allevynのドレッシングは、全体が5つのレイヤーから成っていて、真ん中で切ると、ポケット状になって、一番下(肌につくレイヤー)は、粘着性があるので、肌にぴったりくっついて肌をミューカスから守ってくれます。そして、ミューカスはそのポケットに格納される、という感じです。(下記のイメージのように)

Allevyn Dressing

Allevynのドレッシング材。半分に切って、ポケット側を下に向けて尾てい骨部分を覆います。Skin-barrier を塗ってから(完全に乾かす)ドレッシング材を貼ると、「付き」も良くなります。

Mepilexを半分に切ったとしても、このポケットみたいにはならないので、この患者さんの肌をミューカスから保護するには、Mepilexでは機能しない感じです。また、粘着部分に関しても、他のドレッシング(Mepilex)だとこの患者さんには少し強すぎて肌が荒れたので、Allevynを使用することになった、とのことでした。

Allevynは、でも、他のシリコンドレッシングに比べてちょっと値段が高いので、私の勤務する病院では、もし必要ならば、特別オーダーになるであろうドレッシングなのです。

この…お花の形とかに作るコスト(エキストラでコストがかかってるかはわかりませんが)を削減して普通の四角い形でいいので、ちょっとコストを下げてもらえたら、こちらのドレッシングの方が何となく好きです。

子供の肌は発展途上です。