社内政治+経営悪化で、1人の外科医がレイオフとなりました。
残念ですが、高給取りだったようで、背に腹は代えられない、ということだったのでしょうか。
その外科医(①)は、「wound cultureは悪化した際だけで良い。無駄な検査は必要無し。」という方針でした。翌週のフォローアップ時に抗生物質が必要になった際のために、取っておいたほうが良くないですか?と言っても、答えはNOの場合がほとんどです。
別の外科医(この方は病院に残ります②)は、wound が順調に良くなっていても、ドレイネイジが無くてもwound cultureを取ります。
今日外来に来た患者さんは、6月に、静脈性潰瘍が再発してまた外来に来られました。その際に取ったcultureで「enterococcus (エンテロコッカス菌)」が検出されています。が、この患者さんは、過去に3年くらい、あちこちの病院をその潰瘍の治療のために渡り歩いていて、結局遠方の大学病院まで通っていた経緯があり、その際、数種類のバクテリアが検出されていた、という報告でした。
①の外科医は、向上していたら、それ(治療方法)を続けよう、という方針。普通の考えかと思います。
今週の担当になっている②の外科医が、エンテロコッカス菌が検出されているから入院してもらおう。そのように患者さんに説明して、と言ってきました。
ニュ、入院ですか?
菌の検出は2か月前…。既に抗生物質の服用も終わっています。
週1~2回の通院で、回復しているように思いますが…。と言っても、医師は考えが固まっているようです。
ううむ…。
「でも、そのような事でしたら、ドクター自らご説明下さい、患者さんから質問だってあるでしょうから」と促すと、「僕が診たら、医療費の無駄だと思うんだよね。説明だけなんだから君(私)がやって。」
それはいけません。ちゃんと医師から説明して頂かないと。
それに…入院こそ医療費の無駄…。
医師がしぶしぶ説明に行くと(何故にしぶしぶなのかが不思議!)、患者は迷っている様子。家には高齢の寝たきりのお母さんがいるんですよね。
質問ありますか?の問いに対し、「入院したらアクア(私)は毎日来てくれるのか」との質問。
医師がちらっと私を見たので、「毎日は来ませんよ。週に三日くらい」と答えると、「じゃあ、入院しない」とのことで…、入院はさらっと見送られました。
①の外科医も自由奔放だったけど、②の外科医も別の意味で手強い…。
余談
もし、万が一、それでも入院ということになったら、創傷のケアそのものよりも、PT/OTを強化してもらうよう、担当の医師にお願いするかと思います。
PT/OTというのは、Physical Therapyと、Occupational Therapyです。特にOTでは、入院中、自宅に帰った際、1人でさっさかシャワーが出来るよう、特訓してくれます。訓練なので、患者さんの扱いのスタンスも、看護師のそれとは違います。弱音を吐いたり愚痴を言ったりしても、割と厳しいです。
静脈性潰瘍の患者さんは、とかくドレッシングでwoundを抑えっぱなしで、毎日のシャワーもほとんど出来ない(していいけど、気持ち的に出来ない)人が多いです。とにかく動いてシャワーもしてもらうと治りが違います。