お食事中の方は、後ほどお読みくださいね!
先週 1
先週 2
病院外のマゴットは珍しくない
先週1
外来に来られた高齢の患者さんは、左足の内側ゲイター部分 (gaiter area) に潰瘍があります。大きさは直径3㎝くらいです。もうかれこれ3か月くらいになるとのこと。少し前にCellulitisに発展して、近隣の病院で3日間IVの抗生物質投与で入院もしていたようです。
身なりがきちんとしてて、上品な感じの90歳代の女性です。娘さんと一緒に来られます。娘さんもきちんとした感じの方です。
先日、ドレッシング材を外したら、wound bedに小さなマゴットが一匹いました。マゴットは元気よく活動していました。部屋にいたMA(メディカルアシスタント)がびっくりして無言でそそくさと退室しました。同行された娘さんが気の毒なくらい慌てていました。あまりに慌てているので、「(虫に対して)はい、ご苦労様、ありがとう、さようなら。マゴットは役に立ってただろうからそんな気にしないで」と言って捨てました。
ドクターには、ドクターが部屋に入る前にあらかじめお知らせして、娘さんがまた更なる大慌てで弁明するシーンを避けました。
先週2
左足の親指全体がinfectedな感じの方が入院してこられました。指の先は4㎝x3㎝の黒い乾いたエスカーでおおわれています。そのため、ドレイネイジも臭いもあまりありません。エスカー以外の場所は、ウェットな感じでした。
検査の結果、中にガスが確認され、osteomyelitis (骨髄炎) も陽性でした。本人は糖尿病もあり、足の感覚が無いので、痛みもありません。
OR(手術室)に行くので、それまでの間、salineのガーゼで巻いただけでした。ガーゼを巻いている間、部屋に小さなハエが飛んでいました。こんな時は、woundとセットです。ハエが一匹病院に紛れ込んだ、とかいうことではありません。
病院外のマゴットは珍しくない
このように、マゴットを見るのは、全然珍しいことではありません。何度見ても慣れませんが…。
マゴット(虫の幼虫)は、ハエがwound bedに卵を産み付けてから、24時間で卵からかえるようです。早いんです。
「傷はちょっと乾かしておいたほうがいいのよ」という考えの人は多いですし、きっとそんな感じで空気乾燥されていた時間があったんだと思います。「2」の患者さんのwoundは、そもそも何もカバーはされていませんでしたし…。
産み付けられた卵は目で見えることもないので、寝てる間なんかは、誰も気づかないくらいだと思います。本人は感覚もないですし、目を閉じていたら全然わからないでしょう。
そんな感じで、比較的よく見るマゴットですが、慣れないです…(苦笑)
過去投稿:Biosurgical Debridement: Maggots (マゴットセラピー)#300