■本当に高給が目的な人は州刑務所勤務 #85

時給が高いから看護師になった、とはっきり断言する看護師がたまにいます。

たとえそう思っても口に出さないで欲しいなあ、と思うのですが、それは本人の勝手なのでしょうがないです。

ちなみに、この看護師さん(LVN)は、患者さんからのナースコールにはまずほぼほぼ出ませんし、湿ったガウンを取り替えてあげるとかも、まずしませんでした。

そして、時給のいい州の刑務所に採用が決まって、そちらに移って行きました。

新卒の時に、一緒の時に雇用のオリエンテーションに参加した看護師(RN)は、その時点でもう既に刑務所でフルタイムで働いていたので、1週間もしたら「こんなところ、やってられなーい」と言って退職して行きました。

オリエンテーションの部屋で自己紹介する際(カジュアルな感じの)、「私はバッグや車とか、欲しい物がいっぱいあるから、とにかく一番時給がいい所で働きたい」と断言していて、その施設は全くそういう枠じゃなかったので、「じゃあ、何故ここに?」と突っ込まれていましたが、その通りに、すぐに退職しました。

でも、本当に、看護師は高給取りなのかな、と思います(自分を見て)。そんな感じはあまり無いですが…。

もし、本当にそれが目的なら、美容師さんとか、セラピストとか、もっと高給が取れて、時間も自由になれそうな仕事が他にも多くあります。

ビジネスを興したり、金融業界その他の業界で働く方がよっぽど高給なのでは?と思うこともあります。

さて、でも、各々、志すものがあって看護師を選んだ場合。

本当に高給を目指す人は、州の刑務所を目指します。

州の職員なので、その雇用システムの枠に入ることが最初は必要で、それから段々段階が上がっていくにつれ、時給が上がるようです。

でも、刑務所勤務(prison-nurse)は、新卒(New Grad)からいきなり他の施設勤務の2倍くらいの時給です。

多くのCNAも続々刑務所を目指します。

昨日、うちで、一番働きが評価されているCNAの人と病室で一緒になったら「刑務所にアプライしようと思う」と言われました。

ええ~、貴方もそっちか~、と、基本的にその人を応援するべきなんだろうけど、でも受かった際は退職するのでしょうから、それはとても残念だし、複雑な気持ちでした。

ここまで書くと、何だか、刑務所で働いている看護師はお金だけが目的だと思われてしまいそうで、それはちゃんと否定しておきたいです。

州刑務所には場所によってですが、ちゃんとした病院を持っている施設もあって、囚人の中でも病気を患っている人や、怪我をしている人等、看護を必要としている人も多いですから、看護師は絶対的に必要です。

そのような施設が無い場所では、看守の人達と一緒に、近隣の病院を訪れるしかないわけで、私が勤務する病院にも時々、そういうケースはあります。

なので、誤解の無いように、再度言いたいのですが、高い時給には高いなりの理由があって、その仕事をしてくれる人には、感謝こそすれど、それを批判するべきではないと思います。

Photo by Arvin Chingcuangco on Unsplash

この挿入した写真は、見た感じ、透析センターのようです。

透析用のマシンの横に、こういうリクライニング型の椅子が並んでいて、看護師(正看護師のみ)は、透析前、中、後のアセスメントをします。

透析自体は、テクニシャンがほぼ全行程をやってくれます。セントラルラインからの透析の患者さんは看護師が始まりと終わりをします。お給料は…他の施設と変わらないくらいかと思います。病院よりちょっと安いくらい。

高給を目指す透析ナースは、chronic を経験した後、acuteに移って、病院内で一人で透析をしてあげる看護師になります。テクニシャンがいないので責任重大ですが、時給はその分かなりアップする筈です。

医療施設によって違うかもしれませんが、病院には看護師の組合があります。

組合に入ると、時々(1年か2年に一回くらい?)Picketingと言う、いわゆるストライキがあります。ストライキの内容はほぼ「給料を上げてくれ~」みたいな感じです。

病院の管理部系の人達は「しょうがないわねえ」という目で見ていますが、きっとやってる本人達もかったるいと思っているに違いないと思います。

私は採用になった際、なんだか自動的に「はい、これ、看護師の組合のお知らせ」と加入申込書を渡されました。

しかし、私には組合に入るメリットがわからなかったし、興味もなかったので、上司に「これって強制ですか?」と聞いたら「強制じゃない。というより、入ったら僕は怒るよ。」と言ったので、あぁ、そうなんだ、と、そのまま、加入しませんでした。

これに入っている人は一体どういうメリットを求めて入るのでしょうか。賃上げなんて、一度されたら組合の責務を果たした、みたいな感じで、その後はしばらくないでしょうし、でも、組合費を延々と払い続けるわけです。

組合に入っていたとしても、退職を迫られたら辞めるのだろうし、何といっても、すごいのは、毎月お給料の2%を収める、と書かれてあることです。

それはちょっと私には理解しがたい金額です。

ところで、、、

拘置所というのはまた違います。これはカウンティ(郡)であって、ステイト(州)ではありません。

しかも、ではカウンティの職員かと言うとそうでもなくて、カウンティが外注しているエージェントの職員です。

なので、公務員的なカウンティの福利厚生を貰うわけではないので、勤務する際に確認が必要です。

私は、看護学生の頃、1日実習で拘置所を希望して行ってみました。

そこで思ったことは、通常の看護師の3倍くらいの気迫がないとやってられないんじゃないか、という印象でした。私についてくれた看護師さんがそんな感じだったので、そういうイメージを持ってしまったのかもしれません。

血管がつぶれて使えない人が多くて(ドラッグで)、採血が大変そうでした。

そして、自分の2倍くらいある大きな男性の囚人に対して「あなた方ね、覚えといて。将来のこういう時のために、片方の腕の血管は使える状態に残しといて!わかった?!」みたいに言っていたのが印象的でした。

言われた囚人の人達は「はい…」みたいな…(笑)。

1日実習に行って実際に見れて良かったです。私は正直、すごく怖かったです。