Convexパウチ・システムを使う時
肌より低い位置にあるストマ
「Retracted stoma」又は「flush stoma」に。一択で「Convex」スタイル。Deep Convex や Light Convexがおすすめ。
肌と同じ高さの位置にあるストマ
ストマの盛り上がりが無く、周りの肌の張りも弱い。Light Convex や Soft Convex がおすすめ。
肌よりも高い位置にストマ
肌よりも高い位置にストマがあるが、周りの肌の張りが弱く、サポートが必要な場合。Light Convex や Soft Convex がおすすめ。
まとめると、ストマの高さに関係無く、ストマ及びストマ周りにサポートが必要な場合と言えます。
Convex は、Concaveの反対で、外側に出っ張ったカーブです。この外側に出っ張ったカーブを持つパウチング・システムですが、肌を押すようにカーブが肌側に向かっていて、ストマを押し出す(protrude) 形になります。
SenSura Mio Convexパウチ・システム
新しく造設されたコロストミーのストマが肌の高さよりも低く引っ込んだ状態を「retracted stoma」と言います。そんなストマを持つ患者さんが入院してきました。Retracted stoma は、術後初期段階に見られるコンプリケーションの1つです。
このような状態になる原因はいくつかありますが、ここで述べたいのは、その原因ではなく、対処法の1つである、パウチング・システムの選択についてです。
この患者さんには、SenSura MioというConvexスタイルのパウチシステムを使用することになりました。近隣病院でもこのSenSura Mioシリーズのパウチはよく使われています。理由は、種類が多く、いろいろな人の様々なストマのスタイルに対応できる点にあります。
SenSura Mioのパウチシステムは、色も落ち着いていて、医療用具感が無い雰囲気があります。パウチシステムは、生活の一部として付き合っていくものなので、医療用具感がないのはいいと思います。細部にこだわって作られている感じもあって、個人的にも気に入っているコロストミーバッグのシリーズです。
Light Convex・Soft Convex・Deep Convex 比較
商品カタログを見ると、ソフトとかディープとか、「いろいろあって訳が分からない!」と迷う人も多いのではないでしょうか。
ここでは、シンプルにキーワードで紹介したいと思います。
Deep ― 肌より低い位置にあるストマに
Light ― 肌と同じ高さの位置にあるストマに
Soft ― 肌より高い位置にあるストマに
写真は、SenSura Mioシリーズ Light ConvexとSoft Convexのパウチシステムです。患者さんのRetracted stomaにはDeepなタイプが良いのかもしれませんが、今回は残念ながら手元にありませんでした。
この2つのConvexスタイルのパウチシステムはとても良く似ています。見た目も、触った感じも、どちらも同じ物に見えてしまうくらいです。
違いは、wafer部分の硬さが微妙に違うこと。Soft Convexの方が少しだけ柔らかいです。
価格も同じです。箱の中身も同じです。
どちらも1ピースで、waferとパウチが一緒になっています。
どちらもドレイン可能なパウチになっており、ドレイン部分の口のサイズも同じです。
なので、間違って違うタイプを購入してしまっても、Convexスタイルには違いないので、使ってみるのも良いかと思います。
ここで紹介しているパウチシステムは、ウェイファーとパウチが一体型の1ピースタイプですが、勿論、ウェイファーとパウチが分かれている2ピースシステムもあります。ストマの形や状態は各人で違いますし、どのスタイルが一番快適かは個人で違ってきます。
いろいろな種類が用意されているSenSura Mioシリーズは、各人の様々な好みに沿える商品が見つけられるものだと思います。
参考サイト
https://www.coloplast.us/ostomy/people-with-an-ostomy/