アメリカの看護大学院 6つの選択ポイント

こんにちは。今日は、下記(ボックス内)のような内容で、私がどのような観点で看護の大学院を選んだのか、を書いてみたいと思います。

看護師の皆さんの専門は様々だと思いますが、内容が少し創傷ケア寄りになってしまいますことをお許しください。

1. NP (Nurse Practitioner)かAP (Advanced Practice) か

2. コース(専門分野)を選ぶ

3. 私立か公立(州立など)か

4. オンラインか登校タイプか

5. 費用

6.個人的に大事だった外せない選択ポイント

1. NP (Nurse Practitioner)かAP (Advanced Practice) か

NPの資格は、BSN保持者が2年大学院に行って試験を受ければ取れてしまいます。取れてしまいます、という言い方をしてしまいましたが、これは医療界でも賛否両論ある所で、慎重にならざるを得ないのは理解できます。看護師と医師の教育内容はまるで違うし、そもそも職業も違います。そのようなわけで、NPの仕事内容は州の規定によって範囲が決められています。

州によってプラクティスの内容が決められてはいるものの、NPの資格があると、自分で患者さんを診れるので、APの仕事内容をカバーできます。カバーできる、というのは、NPがあれば、APは要らないんじゃない?ということです。確かにそうです。むしろ、AP以上の範囲のことができます。

これに対し、WOCN学会で言ってたのは、通常のWOC資格保持者がNPコースに進んだ場合、本来APで深く学ぶべき専門的な内容が抜けてしまう可能性が高い、ということでした。

なので、WOC保持者がNPコースに進む場合は、いきなり進むのではなく、初めにAPを取得してからが望ましい、ということです。

人によっては、過程が短いほうが(勉強の)労力も費用も抑えられる、と考える人もいます。とは言っても、APを持っていなくても経験から既に深い知見がある、という人も中にはいるでしょうから、本当にそこは人それぞれです。

2. コース(専門分野)を選ぶ

BSNであまりなかった専門分野について、大学院のコース(MSN)で初めて学ぶことになります。前述のとおり、MSNコースに入る前に、様々な専門分野に既に進んでいる方が多いと思います。

各大学で、オファーされている、ディグリー取得コースは様々ですが、次のようなものがあります。

NPコース(この中でも、Pediatric, Geriatric, Psychiatric, Primary care, Acute care, etc.などいろいろ分かれます)
Clinical Nurse Specialist
Nurse Educator
Nurse Administrator/or Health Systems Leadership
Nursing Informatics (IT)
Forensic Nursing
Public Health Nursing (School Nursing 含)

私は個人的に、地域住民が創傷を引き起こす環境を深掘りしたくて、パブリックヘルスのコースを取りました。パブリックヘルスのコースを取りたかった理由は他にもあります。それも個人的な理由ですが、スクールナースについて知りたかったからです。

このように、皆さんもコース選択の理由は様々だと思いますが、決める際は、プログラム内容も見てみて下さい。例えば、私は当時、NPのコースも脳裏に浮かびましたが、その前にやったほうがいい事があるんじゃないかな…とか、それは今じゃないんじゃないか…という思いが強く、学校のカウンセラーに相談したところ、必須科目が将来(NPコースを取った際)役立つものを提示してくださり、それがパブリックヘルスに含まれていたので、それで決めました。

必須科目

MSNコースの3大必須科目は、この三つです。これは絶対ですが、例えば、ITコースや経営コースには無い場合も多いです。

NPのコースだと、この3大必須科目が更に深掘りされます。

1.Advanced Physiology
2.Advanced Pharmacology
3. Advanced Assessment

3. 私立か公立(州立など)か

私立と州立を両方経験して思ったことを正直に書きます。

州立大学は、少し聞こえが良いが(〇〇 State Universityなど)人数が多すぎてケオスでした!人数が多いので、ディスカッションボードなどへの投稿やリプライ、検索なども、まるでジャングルの中にいるようでした。

アドバイザーの数も多く、問題があっても、すぐに返事が貰えないこともありました。州立の良かった点は、授業料を分割払いにしてもらえた点。

私立の良い点は、ビジネスを念頭に置いているせいか、理路整然としていてケオス感がゼロ。ビジネスにおけるカスタマーサービス的に、問い合わせには速攻で返答があり、請求書、領収書などもグチャグチャ感ゼロ。更に、月払いも可。

最高だったのは、科目が変わって先生が変わっても、プラットフォームや授業パターンが統一されていて、迷い感が無い。どの科目に進んでも、締め切り曜日や時間が全て同じなので、認識の違いがない。

そのような点に関する生徒からの問い合わせも無いと思えるので、生徒側も先生側(管理者側)も楽なシステムがちゃんと構築されていて、勉強に集中できる環境。

勉強は良いシステム作りから。本当に。

4. オンラインか登校タイプか

これは本当に個人の好き好きですが、私はもう絶対的にオンラインタイプの性格なので、オンライン一択でした。それでなくても仕事で時間が割かれているのに、登校や待ち時間などに時間を割いている余裕がありませんでした。

でも、パブリックヘルス(公衆衛生)看護のコースは、コミュニティに出向いてする課題があるので、完全オンラインには絶対になりません。私の場合は、選択で、地域のOutreach的な施設に出向いての作業がありました。自分が選択する場所がK12(小中高)の学校だったら、学校に出向くことになります。

NPのコースだと完全にオンラインはほぼ無いです。アセスメントに関しては、どうしても、対面でやらなければならないことがあるからです。オンラインの場合は、必然的にハイブリットになります。他州の学校を選ぶ場合は、そこを考慮しないといけません。

5. 費用

大学院の費用は、1単位当たり、$500~$700といったところでしょうか。またはそれ前後です。公立、私立によっても幅があります。NPのコースだと、別に料金がかかる場合があります。

学校によっては、分割にしてくれるところもあるので、どのようなオプションがあるか聞いてみて下さい。

費用対効果はどうでしょう。病院内で、部署のマネージャーはBSNでもなれるので、MSNがあるからお給料が上がるとか、正直無いです。でも、APを取る際に、MSNが無いと駄目なので、APを目指している人にはMSNは必須です。APを取ると、違う業務内容になるケースがほとんどだと思うので、そういった観点ではMSNの費用対効果は高いと言えます。

でも、お金以前に、MSNがあると看護に深みが出ます。患者さんの安全とか、患者さんへのより良いサービスを考えると、多くの人にMSN取得をおすすめしたいです。

6.個人的に大事だった外せない選択ポイント

個人的に外せなかった選択ポイントがあります。それは、グループ作業が有るか無いか

BSNがケオスだったこともありますが、グループ作業にかかる時間的&精神的な負担を避けたかったです。他州から参加していた生徒もいるし、勤務時間もばらばら。グループミーティングが夜中の2時とかもあったりして、散々でした。

グループ作業が必要な課題の有無は、私の外せない点でした。

アメリカは個人を尊重する国、とよく言われますが、チームワーク力は常に問われます。仕事の面接でも聞かれますし、小中高でも、グループ作業がものすごくあります。小中高、そして大学、どの科目にもあるくらいです。

確かに、グループ作業から学ぶことは多いです。リーダーシップ、フォロワーシップ、サポート力、などなど。

しかし!私のMSNには求めませんでした。そんなものは他でやれば良い、ということで!笑

というわけで、外せない点は妥協せずに、大学院選びをしてほしいです。