■AIとNP/PAのポジション #149

AIは、将来、いろんな仕事をTake Overすると言われていますが、NP (Nurse Practitioners)やPA (Physician Assistants) も、その仕事リストに入るのではないかと言われています。

NPやPAの仕事内容と立ち位置

NPやPAは、医師不足(特にPPC, Primary Care Physicians) を補うのが主な目的で雇用されます。

でも、医師と同じ立ち位置にいるわけでは決してなくて、薬局の処方性のRefillの回数が切れて、医師の処方が再度必要になった時や、薬が一定期間毎にチェックアップを要する場合など、比較的状態が安定している患者さんを担当します。

症状が重かったり、複雑だったりする場合は、医師に診察してもらうことになります。

医師の監視の元で勤務する場合、医師の監視下に無く単独で診察に当たれる場合など、州によってその規定に違いはありますが、勤務場所によって、その位置付け(医師との境目)が曖昧なケースも多いです。患者さんの中には、すっかり医師だと思っている方もいます。

そして、今(前からですが)、そのNP/PAのAutonomy (診療の際の自由度) に対する医師サイドの懸念が大きくなりつつあります。

NP/PAから処方された薬及び検査内容に関して、患者さんの安全が問われるケースなども相次いでいることもあり、NP/PAは「常に」医師の監視下で診療にあたるべきである、という意見もあります。そうなると、1人の患者さんにプロバイダーが二人付く、という本末転倒的な状況になり、医師は、NP/PAの面倒まで見なければいけないわけで、より現在勤務されている医師達の負担が増えることにもなります。

NPに不足すること(ここからは、NP特化で)

NPのプログラムは、通学、オンライン、ハイブリッド(通学・オンラインが半々)の3通りあります。

忙しい方は、オンラインを好むため、昨今では、完全オンラインのNPコースも数多く存在します(実習は各自選択の場所で)。個人的にはオンラインだから劣るとか、そういうことは無いと思っていますが…。でも、中には、そういう意見をお持ちの方も多くいます。

NPのコースは、Geriatric, FNP (Family Nurse Practitioner), Psychiatric, 等々、何種類かのコースがありますが、2~3年間の間に、レクチャーコースと実習を詰め込むので、NPの存在に否定的な医師の方達は、その経験値に苦言を示しているという感じです。

それでは、NPになってから何年かは、医師の監視の元で経験を積むとか、資格取得までの道のりをもっと厳しくするとか、否定する以外にももっと道はあると思います。

そこでAI登場… (登場、と言っても、もう既に医療には無くてはならないものになっています)

AIの強い所は、とにかく記憶が得意、ということ。

ロボットの頭の中には、こういう症状なら〇〇、とか、エビデンスは有るか、とか、そんなデータがいとも簡単に詰め込まれて、ササっと出てくるでしょう。

処方箋の更新が必要な場合は、必要なラボの種類、ラボ結果の分析など、正確に答えを出すこともできます。

もちろん、患者さんの診療とは、それだけではありませんが、でも、それで、医師の負担がかなり軽減されるのではないでしょうか。

NP/PAの存在を否定しているのでは決してなくて、NPの仕事の有り方とか、医師との連携の在り方とか、それにAIが加わったら、結果的に、すごく患者さんにとって有益だと思うのです。