■使い道と効能
■何故に愛用
■使い方
■難
■値段
■使い道と効能
IODOSORB GEL(アイオドソーブ・ジェル)は、比較的頻繁に使用します。
使用目的:患者さんの創傷に、壊死組織 (escharやslough) が見られた場合、その除去(デブリーメント)に使用します。
#82で書いていますが、踵の創傷などにも効果的です。(こちらを参照下さい)
使用場所:主にどこで使用するかと言うと、ICUや、滞在が数日前後のMed-Surgでの使用が多いです。外来では使いません。患者さんが家で使用するのにはちょっと不向きかと思います。使えないわけでは決してありません。ただ監視が難しいというだけの理由です。
■何故に愛用
使用理由:同じSmith&Nephew社から出ているSantylもslough等の壊死組織のデブリーメントに使用されますが、Santylだと、結果が出るまでの時間が長すぎて、数日で結果を出したい時には、絶対にIodosorbが早いです。
又、インフェクションの抑制力が高く(Iodineなので)、創傷が悪化する可能性が高い場合は、効果的です。
■使い方
基本的な使い方は、ジェル(実際はペーストに近い)を創傷に厚めに塗り、ガーゼやフォームドレッシングでカバーします。
基本的に、ドレッシングの交換は、毎日(一日一回)ですが、ジェルの茶色い色が白く変わったら交換時です。大概、翌日になると白くなっています。
交換時は、この白く半透明になったジェルを洗浄して、新しいジェルをアプライします。数日以内でほぼ絶対に状態が変わる筈です。
この数日の間は、創傷を見るのが毎日待ちきれないくらいですが、そういうのはちょっと変人チックだと周りから言われることも…。
■難
難は、フロアの看護師がまず使用をあまり好まないことです。好む好まないに関わらず、看護師は使用せざるを得ないわけなのですが、ジェルが真っ茶色なので、その見た目の悪さと、扱いが難しそうな「感じ」から、あまりこちらの期待しているようにケアが進んでいかない場合もあります。
茶色い色や白い色をドレイネージと勘違いして、間違ったドキュメント(記録)をしないように、1人1人に説明する時もあります。
■値段
今日、IODOSORBの事を書かざるを得ない心境になった一番の理由は、この値段です。
この四月にまとめて購入したのがなくなってきたので、今日、また注文をしようとして、フォームに記入を…と思ったら(必要部署のマネージャーの承諾サインが必要で)、な、なんと、値段がやけに高くなっているではありませんか!
ちょうどMed-Surgのマネージャーが不在だったので、しょうがなく購買の部署にサイン無のフォームを持参したら「一個$100以下?じゃ、いいよ、サイン無しでも。どっちみち必要なんだし。」と言われたのですが、「いや、でも、でもね、それにしても、四月からこの半年間で、値段が二倍になるってどうなの?」と聞いたら、購買の部署でも「ええ~、それはちょっとすごいね。ちょっと先方に聞いてみる。」ということでした。
この商品は、40gのチューブで、カスタマー・ディスカウントの割引き後価格で$97くらい。でも、四月にはこの半分の値段でした。
ちなみに、現在の10gのチューブは$56くらい。4月購入時に、10gのチューブの値段を注意して見ていなかったので、当時の10gチューブの値段はわかりません。
40gがざっと$100で、10gが$50って… これもどうなんでしょう!
受けた感じとしてはですが、Smith&nephew社の今の一押し商品枠とか…。サンティルと同じ立ち位置に持って行こうとしているとか…。だとしたら、これからもっと値段が上がる可能性だってあります。なんたってサンティルは$200以上する高額商品ですので…。
やっぱりIODOSORBが売れ筋商品だから(多分)…とか。
そんなに高くされると、代用品を探さざるを得なくなるので、これ以上値段を上げないで欲しいです。
IODOSOBは、材料的にはiodine + hydrogelらしいんですが、この二つを足したからと言って、IODOSORBと同じ働きができるわけではありません。
この「cadexomer」という珍しい作り、と言いましょうか、「ビーズ」と呼ばれるこのサーファクタント的な形状をプラスする技術を持ったジェルは他に類を見ない、というか…無いでしょう。あるのかな、あったら知りたいです。
Smith & Nephew 社さん、いいのを持ってますよね…。
え~、やだ~(苦笑)。なにこれ~。アマゾンの方が安い~。
安いというか、以前はもっと安かったのだから、出品者にはちゃんと利益が出ていると思われる値段ではあるのですが…どうして病院向けの金額がそんなに高く設定されてしまっているんでしょうか(涙)。
病院に、アマゾンで購入していいか、ダメ元で聞いてみましょう。まあ、だめであろうことはわかっていても…。
翌日…
意外にも… あっさり「いいんじゃない?アマゾンで買っても。新品なんだし。この病院で、それを買いたい人は1人しかいないし(私)。」とのことでした。「Risk Management」の部署に行ったら絶対に答えはNOでしょうか。どうなんでしょう。