■訴訟の数は弁護士の数に比例する
■訴訟の多い医療現場はどこか
■意外な場所
■看護師が出来る事、すべき事
■保険に入る
看護師になる際には、実際にはあまり考えないのですが、看護師生活に訴訟問題のリスクはついて回ります。
「そんな経験はない」とおっしゃる看護師の方、ラッキーです。また、多少なりとも経験をされた方、そんな方も有る意味ラッキーです。実際に経験しないと、訴訟問題の怖さはわからないからです。
■訴訟の数は弁護士の数に比例する
訴訟は、看護師のどんな勤務場所においても起こり得ることです。しかしながら、現実問題として、統計上は、弁護士が多くいる州では、その分、訴訟も多い、ということになっています。
弁護士の数は、やはり都市部に行くと、多いようです。そして、医療系の訴訟の数も多いだけではなく、上昇しています。ウェブサイトで調べて頂けると、情報は比較的簡単に手に入ります。
■訴訟の多い医療現場はどこか
州だけではなく、働く場所によっても、訴訟の多い場所、少な目の場所、というのがあります。
訴訟の多い場所は、何と言っても、SNFなどの、患者さんの滞在期間が比較的長い場所です。表に出てないだけで、訴訟訟問題が何件も同時進行、なとどいう場合もあります。
Acuteケア(病院等)内の部署、例えばMed-Surg等は、滞在期間も5日~2週間くらいと短く、患者さんも症状が重くそれほど活動できなかったりするので、リハビリやSNFに比べ、訴訟は少な目ですがないわけではありません。
■意外な場所
意外な場所は、医療スタッフが海外支援などで行うボランティア活動の場です。個人で入っているマルプラクティス用の保健がそこまで適用になっていない場合があったり、また、ボランティア活動のとりまとめ会社が保険のケアまでしてくれてなかった場合など、「穴」があります。
せっかく善意でボランティア活動を通して誰かを助けて下さっているのに、混とんとした現場で起こってしまうマルプラクティスが問題にされたりするケースが報告されているようなので、出発前に事前に抑えるポイントです。
■看護師が出来る事、すべき事
訴訟を防ぐために看護師が出来ることは、2つ。
1つは、常にメタ認知的に自分の行動を確認すること。自分の今の行動は大丈夫?と常に自分に問いかけること。
もう1つは、記録をきちんと残すこと。自分を守るのは記録しかない、というくらい、記録は大事です。でも、記録は本当にそんなに残されていない、と私は思っています。
訴訟になると、「患者の家族に電話をした」では不十分で、「患者の家族の何という名前の人に、何時に電話をしたのか」とか、実際に話をしたのか、メッセージを残したのか、とか、そんな細かい事まで問題になります。
また、実際は、「〇〇をした」としても、記録が残っていないと「記録にはありませんよね?」とか「何故記録に残っていないのですか?」とか、「普段からも、何かしても記録はあまりされていないのですか?」とか、どんどんつっこまれます。
■保険に入る
病院や医療施設は、訴訟になった場合、従業員を完全に守ってくれるわけではありません。状況によっては、個人で金銭的負担を負わなければいけない、という結果になったりもします。
そんな時に助けてもらえるのが、個人で入る、マルプラクティス用の保健です。保険は、裁判のために働けなかった日の分の日給、交通費、宿泊費などもカバーします。
保険代は、比較的安価で、一年間に$100ちょっとくらいです。仕事内容や地位によっても、金額は変わってきますが、入っておくに越したことはありません。
いろいろな会社が保険の「商品」を出していますが、有名な会社の1つのリンクを書いておきます。
NSO (Nurses Service Organization)
看護学生期間中は、先生もついているし、現場でも看護師さん達がついていてくれるので、訴訟になることはそれほど多くはない筈ですが、それでもやはり、余裕があったら、入っておいたほうが安心です。学生さんでも勿論入れますし、万が一何かあったら、カバーされます。