■創傷ケア看護師の立ち位置 #74

患者さんが足の痛みを訴えたり、紫に腫れあがっていたり、身体のどこかにCyst(嚢胞)みたいのがあったりした場合、まず最初は、X-ray(レントゲン)に回されます。

後で「Wound Care Consult」が来て、その患者さんに私が行く場合、予めそういうRadiologyのデータをチェックしてから行きますが、それを見ていつも思うことがあります。

Radiologyの医師が所見を書いているのですが、いつも最後に「Thank you for your referral.」と入っています。入ってないのも見かけるので(別の医師)、これは単に人柄なのか、その辺はわかりませんが、いつも、謙虚だなあ、と感じてしまいます。この医師はRahiologyの部署の一番上の方。

Radiologyの部署は、病院では絶対になくてはならない所なのに、それでもReferralと受け取るのか、と思います。「使ってくれてありがとう」的な。

昨日、久しぶりにERに呼ばれて、そういう時は、いつも決まって同じ人が勤務している日です。そうなのです、ERでは、呼んでくれる人は、毎回ほぼ決まってる感じなのです。

何故ならば、ERでは、常に「今すぐ」のお呼びで、じゃなかったら創傷ケア看護師は取り立てて必要ではないのです。

ERの大目的は、救急処置、身体のコンディションをとりあえず落ち着かせる、とか、アドバンスな治療が必要かの決断、等々で、創傷は、それが症状に直接関わっていなければ、ケアは運んだ先(Med-Surg等)でゆっくりどうぞ、という感じなのです。

常に「今すぐ」のERに比べ、Med-Surgでは「ランチの後くらいでもいいよ」とか多々あります。

そのMed-Surgにしても、患者さんの担当看護師が医師に「Wound Careのコンサルト入れておきますか?」と聞いて、もし医師が新しい目の人だったら「え?あ、そんなのあるの?じゃあ、オッケー、入れて」となって、オーダーを看護師がコンピュータに入れてくれる、という感じなので、看護師が聞きもしなければ医師も気付かない、というケースも多々あります。

また、創傷に慣れてる医師は自分でオーダーを入れるので、そういう場合もお呼びはかかりません。

その後で、他の人が(House Supervisorとか)が「あれ、どうして入ってないの?」と遅れて気付く場合もあって、入院2日目くらいで入る場合もあります。

いずれにせよ、誰かに呼んでもらわないと仕事が発生しないので、先日はERのそのいつも私を呼んでくれる看護師に「ねえ、ミシェル、私をもっと呼んでくれる?」と営業した次第です!

クリニックも同じで、メディカルアシスタントの人が担当の医師に「wound care呼びますか?」と聞いてくれたら発生するけど、じゃなかったら自分達で処理する、となります。

先日、珍しくOrtho(整形外科)の医師がリハビリのフロアに来ていたので「最近私にお呼びがかからないけど…」と言ったら「最近そういう患者がいないのよ。それっていいことでしょう?」と言うので「まあ、確かに…」と言って会話は終わりました。

そういうわけで、創傷ケア看護師の立ち位置は、前も書きましたがちょっと微妙な所にあって、いろんな人に使っていただいて初めて存在する意味があります。

ちなみに、余談ですが、昨日のERの患者さんは、3日前に退院した人。朝、病室に行ったらその病室が空になってて、「え?退院したの?」となりました。退院するという話は出てなかったのですが…。患者さんにつけていたかゆみ止めはそのままMed Room に置かれていて…。「ああ、あげなかったんだ…」と思ってたら、昨日、かゆい箇所を掻いちゃった、と言って、悪化してERに来ちゃって。これは駄目な退院例です。