■PICCラインのドレッシング交換 #73

看護プログラムで、とても厳しく実技試験されるのが、この「PICCラインのドレッシング交換」です。

何故にそんなにシビアにやらされるかと言うと、PICCラインは多くの場合が上腕にIVのラインが出ていて、フォアアーム(下の方の腕)にあるのと見た目は似ているのに、PICCラインは心臓近くまで到達していて、インフェクションを起こしたら大変だからです。

普通のIVのライン(腕の下の方とか、手とか)の長さが3cmくらいなのに対し、PICCラインは40㎝~50㎝くらいあります。

PICCラインの良い所は、長期でラインを入れておけること。なので、バクテリアの感染率もその分高いです。PICCラインの患者さんは退院して家に帰ることが多いので、家でのケアなど、インフェクションのリスクはとても高く、週に一回のドレッシング交換は、特別な場合を除き、ほとんどの場合、訪問看護師がやります。

病院では、一週間以上入院しててPICCラインが入っている患者さんは、一週間に一回、フロアの看護師がドレッシング交換をするのですが、創傷ではないため、私がこのドレッシング交換をする機会はめっきり少なくなってしまいました。

今日、フロアのRNが二人、PICCラインのケアの話を私のすぐ後ろでしていたので、聞こえてしまったのですが、会話の内容が「PICCラインのドレッシングいつ交換?え?今日?え~」みたいな会話だったので、複雑な気持ちでした。

何を隠そう…私はPICCラインのドレッシング交換が好きなのです。それなのに私がやるべき仕事じゃない…。

看護プログラムでもしこの実技チェックが無かったら、是非、他の新卒に教えてもらうことをお勧めします。

新卒はまだ実技も記憶に新しく、チェックポイントをちゃんと覚えているだろうと思うからです。何年も勤務している人は、結構テキトウな感じになってる人も多く(勿論そうでない方もいるでしょう)、フィリピンで看護師になった人は、「学校ではやってない」と言っていたし(全部がそうではないでしょうが)、聞く相手を選んで教えてもらったほうがいいと思います。

PICCラインのドレッシング交換は、時には、患者さんのお母さんがやらないといけない場合もあって、その場合は、看護師がきちんと教えないといけません。そんな時に間違って教えたら大変ですし…。

以前、新卒で入ったRNの人が、看護プログラムで習ってない、というので、「じゃあ、私と一緒にやりましょう」と、フィリピン人の先輩看護師が親切に一緒に部屋に行ってくれて、何故か私もそこに居合わせたのですが、教え方もやり方もとてもテキトウで、「ああ、そんな感じね。簡単簡単。」と言っていて…

多分、彼はその後もPICCラインのドレッシング交換をする際、そんな風に割とカジュアルな感じでやって行くんだろうな、と思いました。

私がPICCラインのドレッシング交換をする際に、いまいちなのが、患者さんと喋っていられない、ということ。喋っていると集中出来なくて、それは英語のせいなのか、もし日本語だったら違うのか、でもたぶんきっと言語のせいではないと思います。私がマルタイタスクじゃないせいでしょう。(他の事もこんな感じ)

患者さんが交換している間(暇だろうし)、時々私に話しかけたりするのですが、私はいつもその質問に答えていられなくて(長い質問系)「ごめんなさいね。ちょっと今これが終わったら答えるから待っててね!」と言って待っててもらったりします。他の人はよく話しながら出来るな~と自分がちょっと情けない。

以前、子供の頃から生活はずーっと病院、という30代の男性に、「ずーっとPICCラインしてるけど、誰もそのアルコールワイプ使わないよ。使うの君だけ(私)。ぷっ。」とちょっと笑われて、ええーー、と思いました。自分だけ馬鹿みたいな感じに聞こえますが、その人は、いつも血液でチューブが汚れ気味になるので、アルコールワイプは使う筈なのです。

看護プログラムを選ぶときは、PICCラインのドレッシング交換の実技がある所をお勧めしたいです。看護プログラムを選ぶポイントに是非加えて下さい。

もしかしたら、ですが、LVNはPICCラインのドレッシング交換をしないので、LVNの学校では習わず、その後LVNがRNになる過程次第では、PICCラインのドレッシング交換が抜けてしまう可能性も有るのかな、と思いました。

いずれにせよ、学校で習わなかった人は、面倒くさがらず、きちんと教わることをお勧めします。