日本でも入院日数がアメリカ並みに短くなっている、というニュースがありました。
日本では、出産も最低一週間くらいのんびり入院していられます。アメリカでは2,3日くらいです。
Clinical Pathwayという言葉があって、例えば、肺炎だったら通常入院日数は何日くらい、膝の手術は通常何日くらい、というのが大体決まっています。
感じとしては、大体のテンプレートみたいな感じです。
必ずしもその通りに治療が進むわけでは勿論ないので、あくまで目安です。
入院は、Acute(急性期の病院)が全てを受け持つわけではなく、Acuteでの主な目的は、stabilization、とにかく体調を「安定」させることにあります。
そして、家に直接帰れなさそうな体調の患者さん、患者さんをケア出来なそうな家族、の場合には、Case Managerが患者さんが退院後入れそうな施設(短期・中期・長期)を探してくれます。
昨今では、高齢者の人数が多く、近隣のSNFやリハビリ施設等の空きを探すのが至難の業です。
また、施設側も、患者さんを選ぶので、断られるケースも多いです。
以前は、どんな患者さんでも受け入れていた、という話を聞きました。
施設が断る理由は、難しい患者さん又は家族だと、訴訟につながるケースが多いのでそれを恐れるためや、難しい症状だとケアしきれずに結果的に州の監査に引っかかってしまう、自分達の医療スタッフが危険な目に合う確率が高い、等等です。
過去の病歴も吟味されたりします。
Case Managerは、このClinical Pathwayに出来るだけ沿った治療を医師に促す必要があって、これは結構コミュニケーション的には高度な技を要します。
医師は、看護師等(Case ManagerはRNで有ることが多い)から自分の治療方針についてあれこれ言われなくはないでしょうから、医師によっては怒っちゃったりする方もいます。
というわけで、日本も「Post acute」や「sub acute」的な施設がこれからどんどん必要となると思います。そして、看護師もそちらに多く注入されていくことだろうと思います。
基本的に家族が看れるけれども、不安、という場合は、Home Health、訪問看護も選択肢です。訪問看護のエージェントがとりあえず退院後に訪問し、その時点で「必要ないんじゃない?」と決める場合もあります。
私も、以前、小児科の訪問看護のエージェントからの依頼で、交通事故後の高校生を訪問しました。その際、書類上は、とても大きな事故で(実際大きな事故だったようです)、創傷の大きさも45cmと大きいものでした。訪問の際、エージェントから「最初の訪問で、週に何回訪問するか判断してください」と言われて訪問したのですが、いざ行ってみると、創傷は大きいもののとても浅く、大学生のお兄さんが一回目の訪問で完璧にケアを覚えてくれたことと、外来のフォローアップに行けるようだったので、訪問看護は不要、と判断しました。
そんな感じで、病院の退院時はとりあえず安全のために訪問看護をお願いしておこうか、というのはあります。