Nursing Research (看護研究)というのがありまして、その名の通り、看護の分野における研究なのですが、アメリカでは、これに結構な予算を割いております。
ここで紹介させていただくのは、米国の国立看護研究所(NINR)の今現在における最新のレポートです。
何を持って「結構な」と言えるかどうかはわかりませんが…。
ちなみに、米国の看護研究予算は、$146 million (2017年)ですが、これに対し、1型糖尿病のみの研究予算が$150 million (2019年)で、ほぼ同じくらい… 。
1型糖尿病は生まれつきで、生活習慣病ではないこともあって、米国的には、なんとかしてこの病気を克服したい、という強い方向性なのだと思います。
さて、その看護研究の現在の推奨分野は、四つ。2017年のもので、その前は2014年でしたので、来年くらいにはまたアップデートされるんじゃないかと思います。
● Symptom Science: Promoting Personalized Health Strategies
● Wellness: Promoting Health and Preventing Illness
● Self-Management: Improving Quality of Life for Individuals with Chronic Conditions
● End-of-Life and Palliative Care: The Science of Compassion
興味のある方は、こちらのウェブサイトでご覧ください。タイトルは下記です。
“National Institute of Nursing Research (NINR), THE NINR STRATEGIC PLAN: Advancing Science, Improving Lives” Retrieved from: https://www.ninr.nih.gov/sites/files/docs/NINR_StratPlan2016_reduced.pdf
そして、そこで何を感じたかと言うとですね、この80ページにわたるレポートの中に、栄養とか食べ物に関する箇所が一切無いということです。
糖尿病や癌など、栄養や食生活に密接に関わっている疾患も多い中で、全く一切触れられていないのはやっぱり大人の事情なのでしょうか。
医療業界はとかく大人の事情がある場所故、しょうがないのかもしれませんが…。
高校生の娘に「この中に食べ物の事とか全然書かれてないんだよね。大事なのにね。」と言ったら、即答で「だって、やっぱりポリティカル的に駄目なんでしょう」と。
高校生ですらそういう理解でいるんですね。
暗黙の了解というわけなのでしょうか。